この記事では、「特段」と「特別」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「特段」と「特別」の違い
「特段」と「特別」の違いは、他のものを対象にした際、そのものとどのような関係にあるかということになります。
「特段」の場合、切れ目を表す「段」という文字が使用されています。
そこから、切れ目や区切りがあることを意味し、他のものと区切ることができる状態、明確な違い、他にものと差がある状態を意味します。
そして、「特別」の場合は、区別することができるといった意味となり、他のものと明確な違いがある、他のものと異なっている状態を意味します。
このように「特段」と「特別」には、他のものに対し、明確な差があるのか、それとも、明確な違いがあるのか、という点が大きなポイントとなります。
「特段」と「特別」の使い方の違い
他のものに対し明確な差がある場合は「特段」。
明確な違いがある場合は、「特別」といった意味がある両者の違いにおいて、明確な使い方の違いとしては、言葉同士の組み合わせが可能な、可能でないかという点となります。
言葉同士を組み合わせ1つの単語にすることができるのは、「特別」のみとなります。
例えば、「特別支援」とは言いまずが「特段支援」という言葉はありません。
そのほか、「特別養護老人ホーム」がある一方、「特段養護老人ホーム」という言葉もありません。
このように、「特別」は、他の言葉と組み合わせ1つの単語として用いることができる一方、「特段」の場合は、言葉同士を組み合わせることができないものとなります。
そのため、「特段」の場合は、「特段の事情」、「特段の配慮」、「特段の注意」などといった使い方が一般的です。
「特段」と「特別」の英語表記の違い
「特段」の英語表記は、special、particularです。
「特段の配慮」は、special consideration 「特段の事情がない限り」は、Unless there are special circumstances,~ 「特段、ご報告することはございません」は、I do not have anything to particular report to you. となります。
「特別」の英語表記は、peculiarly、specially、especially、particularly、outstandingly、unco、unusually、remarkably、exceptionally、speciallyと数多くあります。
「特別扱い」は、special [preferential] treatment、〈配達などで〉 by express [special delivery]
「特別委員会」は、a special [an interim] committee
「特別手当」は、a special [an extra] allowance、a bonus
「特別料金」は、〈割増しの〉 an extra charge、〈割引きの〉 a specially reduced charge
となります。
「特段」の意味
他のものと比べた際に、その状態や程度において差が生じていることを意味するのが「特段」です。
また、他のものとの切れ目、区切りといった意味もあります。
そして、「特段」を辞書で調べた場合、その意味として、「特別」と解説されています。
そこからもわかるように、「特段」と「特別」には、大きな意味の差はありません。
しいて言えば、差が生じている状態を意味し、また、「特段」は、「特別」に比べ、古い言葉で、また、少し堅苦しい言葉ということができます。
そのため、ビジネス用語として用いられることが多い言葉となっています。
「特段」の使い方
「特段」は、何か他の言葉と組み合わせ1つの単語として使用することが難しい言葉となります。
そのため、「特段」を使用する場合は、「特段の」、「特段な」、「特段に」などとなり、「特段の理由」、「特段の事情」、「特段の配慮」、「特段の注意」などとなります。
また、「特段」は、否定する際の使い方もあります。
「特段異常はない」、「特段の問題はない」とは、「これといって異常はない」、「これといって問題はない」といった意味として用いる言葉となります。
「特段」を使った例文
・『店内を巡回しましたが、特段変わったことはありませんでした。』
・『今後のことについては、特段の配慮を検討して頂きたいと思います。』
・『今回の会議には、特段の理由がない限り全員出席だと通達があった。』
・『会社の存続をかけた大きなプロジェクトとなるため、特段の注意を払い進める必要があります。』
「特段」の類語
他のものと内容が異なるといった意味の「特段」の類語は、別段、特別、格別、スペシャル、イレギュラー。
上回っている様子を意味する場合は、より一層、更に、輪をかけて、一段となどがあります。
「特段」の対義語
「特段」の対義語には、明確なものはありません。
「特別」の意味
他のもとと比べた際にその状態や程度において異なりが生じていることを意味するのが「特別」です。
そのほか、明確な区切り、区別、状態や程度が群を抜いている状態と言った意味もあります。
そのため、「特別」を使用する際は、そのものと他のものが明確に違う場合となります。
その際、基本的には同じ種類の中で異なっていることが大切で、同じ種類の塊の中で状態や程度、性能などが明確に区別されているといった意味となります。
「特別」の使い方
「特別」は、他の言葉と組み合わせ1つの単語として使用されることが多い言葉となります。
例えば、「特別サービス」、「特別メニュー」、「特別料金」、「特別委員会」、「特別会計」、「特別国会」、「特別給付」、「特別室」、「特別席」、「特別措置」、「特別手当」、「特別天然記念物」、「特別番組」など、まだまだ、「特別」が付く単語はあります。
これらすべて、他のものと比較し、明確な違いがあるといった意味となります。
「特別」を使った例文
・『私が2世タレントだからといって、特別扱いだけはされたくないと思っている。』
・『明日は子供の誕生日なので、夕食は特別メニューを用意しています。』
・『私は彼に特別な感情を抱いている。』
・『私は、決して特別な才能があるわけではない。ずっと、努力し続けてきただけのことです。』
「特別」の類語
普通以上のといった意味の「特別」の類語には、異例、とてつもない、途方もない、図無し、異常、非常、並みはずれ、桁違い、桁外れ、スペシャルなど。
重要なことを意味する場合は、格段や格別などがあります。
「特別」の対義語
「特別」の対義語には、他のものと異なるところがあるという意味の対義語として、「普通」があります。
「普通」には、他にものと異なるところがないという意味があります。
また、あることに対し際立っているといった意味の対義語としては、「一般」と「普遍」があり、これらには、共通しているといった意味があります。
まとめ
以上が「特段」と「特別」の違いです。
どちらも大きな意味の違いはありませんが、適宜使い分けが必要な言葉となります。