「万事」を使う言い回しに「一事が万事」と「人間万事塞翁が馬」があります。
それぞれどのような意味があるのでしょうか。
今回は、「一事が万事」と「人間万事塞翁が馬」の違いを解説します。
「一事が万事」とは?
「一事が万事」とは、「たった一つの事例で全てを推測されてしまう」という意味を持つ慣用句です。
「一事が万事」の使い方
「一つのことがあらゆることに通じている」という意味の言葉で、たくさんある中の一つを見るだけでその他のものを見ることなく全て最初に見た一つのものと同じだと判断されることを表します。
こちらはたくさんある中のたった一つであっても相手にとってはその一つがふれた全てなので何かまずいことがあればそれ以外も全部同じようにまずいものだと思われてしまうので全ての事に同じように気を配らなければいけない、という戒めの意味で使う慣用句です。
「人間万事塞翁が馬」とは?
「人間万事塞翁が馬」とは、「不幸が幸福に転じたり逆に幸福が不幸に転じたりなど幸福と不幸がどう転ぶかは誰にもわからない」という意味のことわざです。
「人間万事塞翁が馬」の使い方
中国の古典「淮南子」が出典で塞翁という人が飼っていた馬が逃げて皆が不幸だと言っていたところ名馬を連れて帰ってくる幸福をもたらしたが馬に乗っていた塞翁の息子が落馬して骨折するという不幸をもたらしたと思われたが骨折したおかげで戦に行かなくて済んだ、という故事に由来します。
馬が逃げる不幸が名馬を手に入れる幸福になったがそのせいで落馬という不幸になり落馬による骨折のおかげで戦に行かなくて済む幸福をもたした、という「幸福と不幸がどう転ぶかは誰にもわからない」という意味のことわざです。
「一事が万事」と「人間万事塞翁が馬」の違い
一つのことで全てを推測されるという意味の慣用句が「一事が万事」、幸不幸がどう転じるのかは誰にも予測できないという意味のことわざが「人間万事塞翁が馬」という違いで区別されます。
まとめ
同じ「万事」という言葉を使っていても「一事が万事」と「人間万事塞翁が馬」では意味が全く異なります。
それぞれの意味をきちんと知っておきましょう。