この記事では、「絶叫」と「咆哮」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「絶叫」と「咆哮」の違い
「絶叫」とは、出すことが可能な程度の声を出すこと、またその声のことです。
「咆哮」とは、動物の肉を食べる荒々しい性質を持つ動物などが、大きな声でほえること、またその声です。
どちらも声を出すことや、出された声についての言葉ですが、誰が出すのか、どのような声なのかという点に違いがあります。
「絶叫」の場合は、声を出しているのは人間です。
どのような声かというと、出せる限りの声です。
もうこれ以上は無理だというほどの声を出すことや、その声のことを指しています。
「咆哮」の場合は、声を出しているのは猛獣です。
どのような声かというと、荒々しく大きな声です。
猛獣と接することは、日常あまりありませんが、映像を通して猛獣が吠えている姿を見ることができます。
そのとき、大きな声を出していたと思いますが、そのようなほえ方やその声のことを指しています。
「絶叫」と「咆哮」の使い方の違い
どちらも大きな声のことを指しています。
人間の声の場合は「絶叫」を使用し、肉食で荒々しい性質を持つ動物の場合は「咆哮」を使用します。
大きな声であっても、何が声を出すのかによって使い方が違います。
「絶叫」と「咆哮」の英語表記の違い
「絶叫」は英語で“scream”や“shriek”と表現をします。
「咆哮」は英語で“roar”と表現をします。
「絶叫」の意味
「絶叫」とは、可能な限りの声を出すこと、またその声のことです。
ジェットコースターにのっている人は、「キャー」と声を出していることが珍しくありません。
地上にいる人とジェットコースターにのっている人との距離はだいぶありますが、声は地上に聞こえてきます。
それほど大きな声なのです。
あのような大きな声を出すことや、その声のことを意味しています。
何人の声なのかは、意味に含まれていません。
そのため、一人であっても、複数人であっても、可能な限りの声を出しているのであれば、意味していることになります。
ひとりひとりの声が小さくても、多くの人が集まると大きな声になります。
しかし、このようなことは意味していません。
なぜなら、ひとりひとりが可能な限りの声を出しているのではないからです。
ただの大きな声を意味しているのではなく、「出せる限り」という意味が含まれています。
小さな声が集まって大きな声になっても、出せる限りの声ではないので、「絶叫」ではないのです。
ジェットコースターの場合は、恐怖のために声を出していますが、出せるだけの声を出す理由は恐怖だけではありません。
危険を感じたとき、楽しい気持が高まったときなどにも、出せる限界の声を出すことがあります。
どのようなときに出す声なのかは、意味に含まれていません。
「絶叫」の使い方
出すことが可能な範囲の声を出すこと、またその声のことを指して使用をします。
声を出す人の数は意味に含まれていないので、一人のときでも、複数人のときでも使用することが可能です。
また、声を出す理由は意味に含まれていないので、恐怖のため、危険を感じたため、うれしすぎたためなど、どのような理由であっても、可能な限りの声であれば使用できます。
「絶叫」を使った例文
・『絶叫が耳に残っている』
・『どこからか絶叫が聞こえてきた』
・『絶叫したときに、テーブルの上のコップを落としてしまった』
・『絶叫したら、犬に吠えられた』
・『我慢できずに絶叫した』
「絶叫」の類語
「叫び声」は、程度がはなはだしい声のことです。
一般的に使われている言葉ですが、特に恐怖や危険が近くに感じられるときに出す声についていいます。
「怒号」は、腹を立てて程度のはなはだしい声を出すことです。
「絶叫」の対義語
「小声」が対義語です。
「咆哮」の意味
「咆哮」とは、肉を食べる荒々しい性質のある動物が大きな声を出すこと、またその声のことです。
肉を食べる荒々しい性質のある動物に、ライオンとトラがいます。
ライオンもトラも動物園でみられる動物です。
動物園にいるライオンやトラは、人間が手を出すことがなく、獲物を狩る必要がなく、安全な環境で過ごしています。
そのため、来園者がライオンなどが大きな声を出す姿を見ることはあまりありません。
映像を通してだと、ライオンなどが大きな声を出している姿を見ることができます。
あのような声を動物が出すことや、その声のことを意味している言葉です。
肉食の動物にはライオンやトラの他にも、イルカ、シャチ、ジャッカルなどがいます。
しかし、これらの動物は大きな声を出すことはほとんどありません。
また、「咆哮」は肉を食べる「荒々しい性質」を持つ動物が出す大きな声のことで、性質が荒々しくない動物が出す大きな声のことではありません。
そもそも、性質が荒々しくない動物は、大きな声を出すことは滅多にないでしょう。
何頭の動物が声を出すのかは意味に含まれていません。
また、なぜ大きな声を出すのかも意味に含んでいません。
大きな声を出すのは多くの場合、敵を威嚇するため、仲間に危険を知らせるためです。
「咆哮」の使い方
肉を食べる性質が荒々しい動物が大きな声を出すこと、またその声のことを指して使用をします。
人間が出す声であっても、荒々しい性質の動物が出すような声の場合は、この言葉を使って表現されることがあります。
「咆哮」を使った例文
・『咆哮が聞こえてきた』
・『ライオンの咆哮』
・『激しい咆哮』
・『咆哮をあげる』
・『トラの咆哮に恐怖を感じた』
「咆哮」の類語
「遠吠え」が類語です。
イヌやオオカミが長く引く声を出すこと、またその声という意味があります。
「咆哮」の対義語
「小声」や「鳴き声」が対義語です。
「鳴き声」は、鳥類や昆虫が出す声のことです。
大きな声ではありません。
まとめ
どちらも声を出すことや、出された声のことを意味している言葉です。
しかし、何が声を出すのかという点に違いがあります。
人間の場合は「絶叫」、肉食の動物の場合は「咆哮」になります。