この記事では、「家事」と「炊事」と「料理」の違いを分かりやすく説明していきます。
「家事」とは?
「家事」【かじ】とは、家庭に関することです。
主に、家庭の生活を営むために必要な用事、作業全般を指しています。
漢字の「家」は、親子や夫婦などで形成される「家庭」を指し、「事」は出来事、仕事という意味を持ちます。
「家事」は二つの意味を持っています。
一つは、家族の病気や冠婚葬祭といった家庭内で起きる出来事です。
もう一つは、家庭を管理するため、生活を営むためにおこなわれる日常的な雑務のことで、一般には「家事」といえば後者を表すことが多くなっています。
代表的な「家事」は、掃除、洗濯、食事の準備や後片付け、買物、育児や介護などです。
そのほか、近所や親戚との付き合い、家計のやり繰り、など衣食住に関する作業や用事が「家事」に該当します。
「炊事」とは?
「炊事」【すいじ】とは、食品を煮炊きして食事を作ることです。
主に、自分、家族や仲間がとるための食事を作ることを指します。
漢字の「炊」は米や麦をたくこと、鍋で食べ物に火を通して食事を作ることを表し、「事」は仕事を意味しています。
これらの漢字を組み合わせた「炊事」は、我々の主食であるご飯を炊く仕事、つまり「日常生活を送るための食事を作る作業」を指しているのです。
「炊事」は、飲食店のように営利目的で食事を提供する仕事ではありません。
作業の対価を受けずに食事を作る工程を「炊事」と呼びます。
なお、自分が食べる食事を調理することは「自炊」【じすい】といいます。
主に、一人暮らしをする人が外食などに頼らず自分で食事の支度をすることに対して使われます。
「料理」とは
「料理」【りょうり】とは、材料となる食物に手を加えて食事を作ること、またはその工程を経て完成した食品のことです。
「料理」をする工程や作業そのものは、「調理」とも呼びます。
漢字の「料」は物を作るときに必要な材料、「理」は整えることを意味しており、これらを組み合わせた「料理」は、材料に手を加えて状態を整える行程を表しています。
「料理」は、もとは物事を処理することを指す言葉でしたが、次第に食事を作る工程を指して使われるようになっていきました。
具体的には、食事の献立を考えて材料を入手し、材料を洗って、小さく切って、加熱したり調味料で味付けしたりして、完成したものを食器に盛る工程を指しています。
また別の意味では、うまく処理することの例えにも使われます。
その場合は「この問題をどう料理してやろうか」といった使い方をします。
「家事」と「炊事」と「料理」の違い
「家事」「炊事」「料理」に共通している点は、食事を作る行為が含まれているところです。
しかし、それぞれの言葉の定義には違いがあります。
「家事」は、家庭生活を営むために必要な作業や用事全般を指します。
「炊事」は「家事」の一種で、自分、家族や仲間の食事を作る作業を指します。
「料理」は食品に手をかけて食事を作ることです。
互いの関係をまとめると、「炊事」は、日常生活を営むために「料理」をすることであり、「炊事」をはじめ洗濯、掃除、買物などの作業は「家事」にあたるということになります。
まとめ
「家事」「炊事」「料理」は、どれも食事を作ることに関連し、互いに関係の深い言葉ですが、意味は異なります。
どれも生活になじみの深い言葉です。
正しい意味を再確認して適切に使い分けていきましょう。