皆さんは「鑑賞」という言葉をご存知だと思いますが、「かんしょう」という読み方をする言葉には他にも「観賞」と「観照」という言葉もあります。
そこでこの記事では「鑑賞」と「観賞」と「観照」の違いを分かりやすく説明していきます。
「鑑賞」とは?
「鑑賞」には「芸術作品に触れたり見ることでその作品を味わい理解すること」「理解して味わうこと」という意味があります。
「鑑賞」の中にある「鑑」という文字には「見極める」「品定めをする」という意味合いがあることから、「芸術作品に見て理解する」という解釈に繋がっていくのです。
「鑑賞」の例文
・『音楽鑑賞』
・『クラシックコンサートを鑑賞』
例文を見ると、芸術的なことに触れる際に使われていることが分かります。
「観賞」とは?
「観賞」とは「見て楽しむこと」を意味する言葉であり、「観」の漢字には「見る」という意味合いがあります。
このことから「目で確認できるもの」に対して表現した言葉となっていることが分かるのではないでしょうか。
「観賞」の例文
「観賞」の例文を挙げてみました
・『植物観賞』
・『自然観賞』
「そのままの姿を見て楽しむ」という意味合いがあるために、「観賞」は、自然や生き物を対象に用いられており、「観賞植物」や「自然観賞」などが典型的な使い方と言ってもいいでしょう。
「観照」とは
3つ目の「観照」には、「対象の本質を客観的に冷静にみつめること」や「美を直接的に認識すること」という意味があります。
「観照」の例文
・『現実を観照』
・『自然を観照する』
ここで挙げた例文のように「客観的な視点でものごとの本質を見極める」という観点で使われています。
「鑑賞」と「観賞」と「観照」の違い
「鑑賞」と「観賞」と「観照」の違いを見ることにします。
「観賞」と「鑑賞」の差異点を考えてみましょう。
この2つの言葉は使用対象の芸術的な観点に違いがあります。
「観賞」は自然にありのままの物を見て楽しむという意味合いがあるものの、「鑑賞」は人工的に作られた芸術作品に対して用いられています。
また、「鑑賞」はいろいろな作品に対して意義について理解を深めてみたり、感動を共有することができる作品において使われています。
尚、「観照」は「主観的な見方をせずに物事を冷静に観察して意味知ること」や「対象の美を直接的に感じ取ること」という意味で直観的な美を感じる場面で使われます。
「観照」は元々は仏教用語であり、知慧によって物事の本質を明らかにすることを表していた言葉で、「美学の概念的なものに対して直感的にその美しさを感じ取る」という解釈に発展してきたのです。
まとめ
ここまで「鑑賞」と「観賞」と「観照」の意味やその違いに見てきましたが、「かんしょう」という読み方をするだけに、同じ意味で理解してしまうこともあるかもしれません。
実際には解釈が微妙に異なってくるので、ここで紹介してきた内容をしっかりと理解しておいてください。