この記事では、「敬愛」と「尊敬」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「敬愛」と「尊敬」の違い
「敬愛」は、相手に親しみを持っているという意味があり、「尊敬」は価値が高いことを認めているという意味があります。
「敬愛」は、敬う気持ちと親しみの気持ちを持っていることを言い、「尊敬」は敬う気持ちのみのことを言い表すという違いがあります。
「敬愛」と「尊敬」の使い方の違い
「敬愛」は人に対して使われる言葉ですが、「尊敬」は人だけでなくその人の行動や人格に対して使うことが多いという違いがあります。
また、「敬愛」は尊敬する気持ちに加えて、親しみをもつという意味もあります。
その為、「尊敬」より「敬愛」の方が距離感の近いときに使われる言葉です。
「敬愛」と「尊敬」の英語表記の違い
「敬愛」の英語表記は“respect”が使われています。
“respect”は「尊敬」という意味がありますが、尊敬に加えて親しみを持つという意味の英語表記はないことから「敬愛」も「尊敬」と同じ“respect”と表記されます。
英語表記では「敬愛」と「尊敬」は大きな違いはないようです。
「敬愛」の意味
相手のことを敬っていて、親しみの気持ちを持っていることを「敬愛」と言います。
「敬」には敬う、「愛」には愛おしいという意味もありますが、その他にも親しみの気持ちを持っているという意味があります。
この2つの文字を組み合わせて、相手のことを敬い、親しみの気持ちを持っているという意味になります。
「敬愛」の使い方
親しみの気持ちを言い表すときに「敬愛」という言葉を使います。
手紙を書くときなどにも使える言葉で、そのときは冒頭に「敬愛なる~へ」のように使用します。
親しみを持ち、尊敬する相手に手紙を書くときに使ってみると良いかもしれません。
「敬愛」を使った例文
・『敬愛の気持ちを込めて、手紙を書いた。』
・『私は中学のときの先生を、今でもずっと敬愛し続けている。』
・『誰からも敬愛されるような人になりたい。』
・『彼女と話をして、今までより敬愛の念が深まった。』
・『僕にとって、彼女を敬愛してやまない存在である。』
「敬愛」の類語
愛情を持ち慕うという意味の「愛慕」や、尊んで信頼するという意味がある「尊信」、親しみの気持ちと愛情をもつという「親愛」などが類語として使われています。
いずれも相手に親しみの気持ちを持つ言葉や、愛情を持つという言葉が使われることが多いようです。
「敬愛」の対義語
相手のことを見下しているという意味する「侮辱」、「侮蔑」などが対義語として使われています。
「侮る」や「蔑む」のように相手のことを軽く見たり、バカにする態度を言い表す言葉を使うことが多いようです。
「尊敬」の意味
対象のものの価値を認め、大切にすることを「尊敬」と言います。
「尊」は価値が高いことを敬うという意味があり、「敬」は相手のことを敬うという意味があります。
相手の立場を上にするという意味があることから、主に目上の人に対しての言葉になります。
「尊敬」の使い方
価値があるということを認めて、相手を敬うときに「尊敬」が使われます。
相手の人格や行動が価値のあるものだと思い、その人について行きたいという気持ちが生まれたときに使われることが多いようです。
日本語の表現として使われる「尊敬語」のように相手のことを自分よりも上にすることで、相手のことを持ち上げる言葉として使われます。
「尊敬」を使った例文
・『上司のまじめで真剣に仕事に取り組む姿をとても尊敬している。』
・『最後まで諦めずに頑張った姿は、尊敬に値した。』
・『私のことを育ててくれた両親のことを尊敬している。』
・『誰もやりたがらないことを率先して行おうとする彼女には尊敬の念を抱く。』
・『仕事を通して、上司に対して尊敬の念が深まった。』
「尊敬」の類語
相手のことを敬い、慕っているという意味の「敬慕」や、ほめたたえるという意味の「礼讃」などが類語として使われています。
他にも「感心」や「尊重」なども類語とされています。
いずれも相手のことを素晴らしいと感じていたり、価値のあるものを大切にあつかうという意味がある言葉が多いようです。
「尊敬」の対義語
相手のことをバカにするという意味の「軽蔑」や、期待していたことが、現実と異なっていてがっかりするという意味がある「幻滅」などが対義語として使われています。
まとめ
「敬愛」と「尊敬」は、同じ「敬」の字が使われおり相手のことを敬うという意味では同じなので、間違えて覚えていたり、同じ意味で使っている人も多いかもしれません。
「敬愛」は、敬う気持ちと親しみの気持ちを持っていることを言い、「尊敬」は敬う気持ちのみのことを言い表すという違いがあります。
しっかり意味や使い方の違いを理解し、状況に合わせて使い分ける必要があります。