この記事では、「理不尽」と「不条理」?の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「理不尽」と「不条理」?の違い
「理不尽」と「不条理」はどちらも物事の道理のなさを表現する際の言葉です。
「理不尽」は、身に降りかかる物事が道理に適っていない事を指し、主観的、感情的な物ごとに対しての道理の無さに使う言葉です。
対して「不条理」は、存在したり、発生したりする根拠や意味がないのに、存在や発生する物事で、客観的、俯瞰的に物事の道理のなさを見つめる時に使う言葉という違いがあります。
しかしながら、ほとんどの場合どちらを使用したとしても、日常会話などで使う分には意味としては通じます。
「理不尽」と「不条理」?の使い方の違い
例えば事故に対して「理不尽な事故」と「不条理な事故」と使った場合、「理不尽な事故」と言われたとき、事故にあった人の気持ちに寄り添ったような表現になり、「不条理な事故」となれば、出来事そのものを客観的に見ているというニュアンスの違いがあります。
しかし、これらは両方の意味を理解しているからこそ、この違いを文で表現できるわけで、言葉として言われた時は、話をしている相手がどこまで違いを意識しているかによっては、同じ意味として伝わります。
しかし人が関わっている場合、例えば誰かが犯罪を起こした際に「理不尽な犯罪」という事を言ったとき、その人は「理不尽」な行動をしているとはっきりとわかります。
「不条理」はその逆で、人の関わりの及ばない所で起こり、防ぎようのない事に対して「不条理」と言い、見に起きた災難に対し筋が通っていないという意味で使われる場合が多い言葉になります。
「理不尽」と「不条理」?の英語表記の違い
「理不尽」を英単語で表すと“unreasonable”となり、「不条理」は“absurd”になります。
「理不尽」の意味
「理不尽」とは、見に降りかかってくる物事に道理が無い事を意味します。
「理不尽」には、主観的で感情的な事に対して使われる言葉ですので、不満を述べたい時などの感情的な時に使われる言葉です。
「理不尽」の使い方
「理不尽」という言葉は、簡単に言えば「納得できないから感情的に文句を言う」という使い方です。
ですから、言動や態度と言った意味もありますので、人に対して使われる事が多い傾向になります。
使用方法としては「理不尽な人」や「理不尽な出来事」などと使用されます。
「理不尽」を使った例文
・『彼は理不尽な理由で、両親に暴力をふるっている』
・『上司の理不尽な命令には我慢の限界だ』
・『私のおじいちゃんは頑固者で、時に理不尽な理由で怒鳴りつけられた』
・『僕の彼女はとても理不尽な理由で激怒しているが、僕には身に覚えの無い事だ』
・『隣人からの理不尽な要求により、引っ越しを余儀なくされた』
「理不尽」の類語
「理不尽」の類語としては、意味が全く通らないという意味の「無茶苦茶」などがあります。
「理不尽」の対義語
「理不尽」の対義語としては、人としての正しい振る舞いを意味している「道義」があげられます。
「不条理」の意味
「不条理」とは、根拠がないのに物事が起きたりすることや、その出来事の事を指します。
そのほとんどの場合は、人知を超えたものである場合が多く、避ける事が出来ない事という場合に使用されます。
「不条理」の使い方
「不条理」は、人知を超えた事について使用される場合が多く、例えば「この世界の不条理」や「不条理な世の中」「不条理な災害」と言ったような使い方をします。
「不条理」を使った例文
・『この世界の不条理に、生きる希望が無くなってしまった』
・『大地震はこの地域のほとんどを、不条理にも破壊してしまった』
・『彼女の過去はとても不条理で、信じられない話だった』
・『火山により不条理にもこの地域一帯には住めなくなってしまった』
・『大切に栽培していたリンゴが、不条理にも台風の影響で全滅してしまった』
「不条理」の類語
「不条理」の類語としては、根拠がない事を意味する「不合理」、本来の統一性がバラバラになっている事を指す「支離滅裂」、一貫性が無い事を指す「荒唐無稽」などが挙げられます。
「不条理」の対義語
「不条理」の対義語は「理不尽」の対義語と同様に、「道理」があげられますが、他にも理屈にかなうという意味の「合理」なども挙げられます。
まとめ
「理不尽」とは、見に降りかかる物事の道理が無い事で、どちらかというと感情的な意味合いがあります。
一方「不条理」は、根拠がないこのに物事が起こる事を意味していて、人知を超えた事に対して使用されます。
しかしながら、ニュアンスで言えば厳密な違いはほとんどないため、どちらかと言えば日常会話で使用する際には、「理不尽」を使用した方が自然に意味が通じるでしょう。