この記事では、「音」と「声」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「音」と「声」の違い
「音」には、4つの意味があります。
1つめは、空気の振動を人の聴覚器官が捉え、脳で処理されて感じるものです。
2つめは、その場にいない人についてあれこれいわれることです。
3つめは、鳥や獣の声です。
4つめは、手紙、知らせです。
「声」には数多くの意味がありますが、主なものは4つあります。
1つめは、人や動物が発生器官を使って出す音です。
2つめは、昆虫が羽や足をこすり合わせて出す音です。
3つめは、物が落ちる、物が触れ合うなどして出される音です。
4つめは、人の考え・意見・うわさです。
どちらの言葉も、物体の振動によって生じた音波を人の聴覚器官が捉え、脳が処理して感じるものという意味を持っています。
しかし、何が音波を出しているのかという点で意味に違いがあります。
「音」の場合は、何が音波を出すのか特定されていません。
人や動物は発声器官を使って空気を振動させることができます。
物を落としたとき、たとえばフライパンを落として床に当たったときなども、空気が振動させられます。
人や動物の場合も、フライパンの場合も、空気が振動して、その振動を人の聴覚器官が捉えて脳が処理することで「音」を感じとることができます。
物体を振動させるものがどのような物であっても、意味する言葉です。
「声」の場合は、何が空気を振動させているのか意味に含まれています。
「声」が意味する空気を振動させるものとは、人や動物の声帯器官、昆虫の羽や足です。
フライパンが床に当たったなど、物のことではありません。
また、どちらの言葉にも、うわさという意味が含まれており、この意味は共通しています。
「音」と「声」の使い方の違い
物体が振動をして、その振動を聴覚器官が捉え、脳が処理して感じられるものについて「音」を使用します。
物体を振動させるものにはさまざまあり、広く使用できる言葉です。
人間や動物が声帯器官を使って出す音、昆虫が羽や足をこすり合わせて出す音のことについて「声」を使用します。
「音」と「声」の英語表記の違い
「音」は英語で“sound”と表現をします。
不快に感じられるものは“noise”といいます。
「声」は英語で、人間や動物の声帯器官から出されるものは“voice”、鳥が出すものは“singing of a bird”、昆虫が出すものは“singing of an insect”と表現をします。
「音」の意味
「音」には、4つの意味があります。
1つめは、物体が振動し、聴覚器官が音波を捉え、脳が処理して認識したものです。
人間には耳があります。
耳には鼓膜があり、空気の振動が鼓膜に到達すると鼓膜がふるえます。
鼓膜のふるえは、耳の奥にある中耳・内耳に伝わり、内耳の中にある液体をふるわせます。
そして、このふるえが中耳の感覚細胞細胞に伝わり、脳に信号が送られて「音」を感じとることができます。
2つめは、その人がいないところで話されるあれこれです。
うわさ、評判という意味になります。
3つめは、鳥や獣の声です。
カラスは「カーカー」といい、鶏は「コケコッコー」といいます。
こういった声を意味している言葉です。
4つめは、手紙、知らせです。
「音」の使い方
空気の振動を感覚器官が捉え、脳が処理して認識するものという意味で使われます。
空気を振動させるものには、人間や動物の声帯器官によるもの、物が触れることによるものなど、さまざまあります。
この言葉は、さまざまな物が発生させるものについて使用できます。
「音」を使った例文
・『鈴の音がする』
・『エアコンの音がうるさい』
・『音を小さくしてください』
・『不快な音がする』
「音」の類語
「物声」が類語です。
何が空気を振動させているのかわからないときに使用されます。
「音」の対義語
対義語はありません。
「声」の意味
いくつもの意味がありますが、主なものは4つです。
1つめは、人間や動物の声帯器官が出す音です。
人間ののどには声帯があります。
声帯は膜のような構造をしており、この膜を空気が通過してふるえることで音がでます。
このようにして出る音のことを指しています。
2つめは、昆虫が羽や足をこすり合わせて出す音です。
コオロギやセミは羽をこすりあわせて音を出しています。
昆虫には羽や足がありますが、羽や足があってもすべての昆虫が「声」を出すのではありません。
3つめは、物がぶつかったり、落ちたり、こすれたりして出る音です。
ガラスのコップ同士が触れると「カチン」と音がします。
鈴を振ると「チャリチャリ」と音がします。
このような物が出す音を意味しています。
ガラスのコップ同士が触れ合うと、空気の振動が起こります。
空気の振動は人間の聴覚器官に伝わり、鼓膜・中耳・内耳などに伝わり、脳に信号が送られて認識することができます。
4つめは、人の考え・意見・うわさです。
雑誌には、読者からの意見や感想が掲載されている欄があります。
この欄のことを「読者の声」ということがあります。
「声」の使い方
いくつかの意味がありますが、人間や動物が声帯器官を使って出す音、昆虫が羽や足をこすりあわせて出す音のことを指して使うことが多いです。
人間の場合は、声帯をふるわせて音を出しています。
たとえあ、「あー」「いー」などです。
これだけでは意味のない音ですが、「声」は内容を持つ音という意味は持っていないので、特別な意味がない「あー」などのこともいいます。
「声」を使った例文
・『どこからか声が聞こえる』
・『声を大きく出しなさい』
・『もっと小さな声で話してください』
・『声がうるさい』
「声」の類語
「音声」が類語です。
「声」の中でも、人が声帯器官を使って出すものを意味しています。
昆虫や物が出す音ではありません。
「声」の対義語
対義語はありません。
まとめ
空気の振動が聴覚器官に伝わり、脳が信号を受け取って認識するものという意味は、2つの言葉に共通しています。
しかし、何が空気を振動させているのかという点に違いがあります。