「おりますでしょうか」と「いらっしゃいますでしょうか」はどのような基準で使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「おりますでしょうか」と「いらっしゃいますでしょうか」の違いを解説します。
「おりますでしょうか」とは?
「おりますでしょうか」とは、「身内がいるかどうかを尋ねる時に使う謙譲表現」です。
「おりますでしょうか」の使い方
「おりますでしょうか」は「居る」の丁寧語「おります」と相手にものを尋ねる意味を持つ「だろうか」の丁寧語「でしょうか」から成る言葉です。
相手に対しているかどうかを尋ねる言葉の丁寧な言い方で、尋ねている相手が自分より目上でいるかどうか確認している対象が自分の身内などで相手に対してのみ敬意を向けるときに用いる表現です。
例えば自社の社員が取引先にいるかどうかを確認する時などは取引先には敬意を払う必要がありますが自社の社員には敬意を払う必要がないので「おりますでしょうか」という表現を使います。
「いらっしゃいますでしょうか」とは?
「いらっしゃいますでしょうか」とは、「敬意を払う相手がいるかどうか尋ねる時に使う表現」です。
「いらっしゃいますでしょうか」の使い方
「居る」の尊敬語「いらっしゃる」と尋ねるときの丁寧語「でしょうか」からなる表現で、自分より目上の人がそこにいるかどうか聞くときに使います。
質問相手ではなくいるかどうか確認したい対象に敬意を向けている表現です。
「おりますでしょうか」と「いらっしゃいますでしょうか」の違い
どちらもいるかどうかを確認する敬意表現ですが敬意を向ける対象が違います。
質問相手に敬意を向けているのが「おりますでしょうか」、質問相手ではなくいるかどうか確認している対象に敬意を向けているのが「いらっしゃいますでしょうか」です。
「おりますでしょうか」の例文
・『我が社の社員はそちらにおりますでしょうか』
・『息子は学校におりますでしょうか』
「いらっしゃいますでしょうか」の例文
・『お客様はそちらにいらっしゃいますでしょうか』
・『先生は職員室にいらっしゃいますでしょうか』
まとめ
「おりますでしょうか」と「いらっしゃいますでしょうか」は敬意の対象が異なります。
混同しやすい表現なので誰に敬意を向けているのか正しく理解して使い分けましょう。