この記事では、「辻斬り」【つじぎり】と「通り魔」【とおりま】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「辻斬り」とは?
自分の腕が確かであると敵対する者の前で明らかにするため、通り過ぎた人を斬って試すことを「辻斬り」【つじぎり】といいます。
現代風に言えば「通り魔」ともいい、武士が新しい刀を新調したとき、どのくらいの切れ味があるか試すため目の前を通った通行人で試し切りするのです。
また、ときに武士同士で腕を見せ付けて通行人を斬り、強さを競ったのでした。
「通り魔」とは?
襲う根拠もなく、無差別に歩く人を狙って襲うのが「通り魔」【とおりま】といいます。
人が大勢集まる場所に自ら行き、過去の殺人事件や通り魔」のやり口を真似しては人々を刃物で襲っていく事件を指す言葉です。
このような犯罪を犯す者は長い間、自分が置かれた状況に不満を持ちます。
この不満はいずれ他人のせいであると間違った認識となり、幸せそうな人に恨みを抱くようになるのです。
そして、街で楽しそうに歩いる人が憎いと思う気持ちが「通り魔事件」を起こしてしまいます。
「辻斬り」と「通り魔」の違い
「辻斬り」と「通り魔」の違いを、分かりやすく解説します。
武士が刃物の切れ味を確かめるため、度々通る人を斬って試すことを「辻斬り」といいます。
また、自分の腕はいいと敵対する武士の目の前で通行人を切り、腕を競うときの行為でもあるのです。
たいていは罰せられず、「辻斬り」もなかったことにされるのが現実でした。
もう一方の「通り魔」は、自分の境遇に不満を抱く者が自ら人の多い場所に行き、無差別に人を刃物で襲います。
最後は警察に捕まり、重大な罪として罰せられるところが違う点です。
「辻斬り」の例文
・『今年も辻斬りが頻繁に現れて、町民を恐怖に陥れた』
・『男の子の親は辻斬りに殺されたため、寺に預けられた』
「通り魔」の例文
・『鋭利な刃物で胸を切りつけた男は、近くの廃棄処理場へ身を隠した』
・『通り魔を撃退するには、背中を見せないようにして鞄を振り回す』
まとめ
どちらも刃物で人を襲う行為を意味する言葉ですが、目的や襲う人、時代といったところに違いがありますので、比較してみるといいでしょう。