同じようなニュアンスに感じる「厳に慎む」と「禁止」ですが、2語はどういう関係にあるのでしょうか?
この記事では、「厳に慎む」と「禁止」の違いを分かりやすく説明していきます。
「厳(げん)に慎(つつし)む」とは?
「厳に慎む」とは、「法やルールを破らないように厳しい態度で臨むこと」や「事件や問題を起こさないように慎重に行動を控えること」を意味する言葉です。
「厳」という字は「厳(きび)しい」とも書き、「いかめしい」や「おごそかである」などの意味を指しますが、「厳(げん)」と用いることで、「態度や処置が厳しい様」や「おごそかで、おかしがたい様」などの意味を指すようになります。
「慎む」とは、「軽率な行動を取らないように注意すること」や「過度にならないよう、控えめにすること」などを意味する言葉です。
したがって、「厳に慎む」は「軽率な行動を取らないように、厳しい態度で臨むこと」を表した言葉と言えます。
「禁止」とは?
「禁止」とは、「特定の行為を行わないように制限し、命令すること」を意味する言葉です。
「厳に慎む」と「禁止」の違い
「厳に慎む」は法やルールに触れないよう、行動を控えることや心構えを表しています。
一方、「禁止」は(法やルールに触れるような)特定の行為を制限し、命令することを表しています。
「厳に慎む」が指すのはあくまで心構えであり、「禁止」のように相手や周りに対して、制限や命令を与えるという意味は含んでいません。
「厳に慎む」の例文
・『社会人として、コンプライアンスを破らぬよう厳に慎むべきである』
・『この問題に関しては、一方の意見に偏った判断を下さぬよう厳に慎まなければならない』
「禁止」の例文
・『このSNSサイトでは、ユーザーを誹謗中傷をするようなコメントの投稿が禁止された』
・『あの空き地はいつの間にか関係者以外立ち入り禁止となっていた』
まとめ
・「厳に慎む」とは、「法やルールを破らないように厳しい態度で臨むこと」や「事件や問題を起こさないように慎重に行動を控えること」を意味する言葉です。
・「禁止」とは、「特定の行為を行わないように制限し、命令すること」を意味する言葉です。