この記事では、「リトグラフ」と「版画」の違いを分かりやすく説明していきます。
「リトグラフ」とは?
「リトグラフ」とは、「石灰石・金属などに彫刻した絵・文字にインクをつけて複製する石版画の技法」を意味しています。
1798年、ドイツのアロイス・ゼネフェルダーが「楽譜複製を目的とする石版画の技法」として考案したと伝えられています。
現在の「リトグラフ」は、「石版」だけではなく「金属板・アルミ板」に彫刻して複製するやり方で作成されるものも増えています。
「リトグラフ」には、「写真石版・磨き石版(直接の手描き)・砂目石版(クレヨン使用)・クロモ石版(多色刷り)」などの種類があります。
フランスのロートレックやドラクロアなどが「リトグラフ」を好んで用いました。
「版画」とは?
「版画」とは、「絵画・文字・デザインの彫刻をした版(原本)を制作した上で、インクを使った転写によって、絵画を簡単に複製できるようにした技法」を意味しています。
また「この版を原本としてコピーする印刷技法によって制作された絵画などの作品全般」を「版画」と呼んでいます。
版画の技法にはさまざまな種類があり、版の素材によって「木版画・銅版画・石版画・シルクスクリーン」に分類することができます。
また「版画」を制作するための版の形状によって、「凸版画・凹版画・平版画・孔版画」などの種類もあります。
「版画」は元々「オリジナルの一点物」しか描けなかった絵画を、版とインクで複製できるようにした画期的な技術なのです。
「リトグラフ」と「版画」の違い
「リトグラフ」と「版画」の違いを、分かりやすく解説します。
「リトグラフ」は「版画の一種」になります。
「リトグラフ」とは、いろいろな種類がある版画の中でも版面に「石の素材」を用いた「石版画」に分類されます。
日本における「版画」の原点は、版に木材を使った「木版画」とされます。
「石版画」である「リトグラフ」には「木版画よりも版面の耐久性・精緻性が高いというメリット」があり、大事に原本を保存すれば長期間にわたって絵画の複製をつくることができます。
まとめ
この記事では、「リトグラフ」と「版画」という美術技法・印刷技術の違いを説明しましたがいかがでしたか。
「リトグラフ」と「版画」について詳しく知りたいときは、この記事の解説をチェックしてください。