人の手によって行われる受精を表す言葉として「人工授精」と「体外受精」がありますが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「人工授精」と「体外受精」の違いを解説します。
「人工授精」とは?
「人工授精」とは、「子宮内に精子を人の手で注入して行う受精」を意味する言葉です。
「人工授精」の使い方
卵子に精子が結びつき受精卵になることを「受精」といいます。
受精は妊娠の最初のステップですが、人の手によって行われる人工的な受精を「人工授精」といいます。
「人工授精」は精子を母体に注入し母体内で受精が行う方法を指す言葉です。
受精卵をつくるまでは人の手によって行われますが受精卵の着床などその後の経過に関しては自然受精と同じく母体内で全て行われます。
「体外受精」とは?
「体外受精」とは、「卵子と精子を母体の外で受精させる受精方法」を指す言葉です。
「体外受精」の使い方
母体から採取した卵子に父親から採取した精子を顕微鏡で拡大観察しながら結びつけ受精させる方法を指します。
自然受精では母体内で起こる卵子と精子の結合を体の外で再現する方法であることから「体外受精」と呼ばれます。
受精卵作成時に母体を利用せず子宮内を再現した環境で行うのが特徴です。
一般的には卵子に精子をふりかけて受精するのを待ちますがピペットで直接精子を注入して受精させる方法もあります。
ある程度受精卵が育ったところで母体に戻し通常の妊娠と同じように子宮内で育てます。
「人工授精」と「体外受精」の違い
「人工授精」と「体外受精」の違いは「受精が行われる場所」です。
どちらも人の手で受精させる技術ですが「人工授精」は母体の中で受精卵にするのに対し、「体外受精」は母体の外で受精させます。
「人工授精」はブランド牛の繁殖などに広く用いられる技術で「体外受精」は自然状態では妊娠しにくい人の不妊治療で行われています。
まとめ
「人工授精」と「体外受精」は受精卵を作る場所の違いで区別されます。
具体的なやり方や母体への負担などいろいろな違いがあるので正しく理解しておきましょう。