書道は、平安時代の著名な書家の活躍から始まるもので、その後は、世尊寺流や有栖川流などの流派が生まれ、現在に至っています。
では、「書道」とは何なのでしょうか。
習い事では、同じような意味で使われる「習字」と、どう違うのでしょうか。
さらには、関連する言葉とも言える「書写」とはどんな関係なのでしょうか。
この記事では、「書道」と「習字」と「書写」の違いを分かりやすく説明していきます。
「書道」とは?
「書道」とは、「書の道」です。
子供の習い事として勧められることも多いものですが、本来は「華道」や「茶道」のように、長い歴史を持つ、伝統的なムーブメントで、芸術作品を生み出すことが主な目的です。
したがって、綺麗な文字を書くというよりは、個性的で人に何か影響を与えられるような文字を書くことが重要です。
多くは毛筆を使用します。
「華道」のように、多くの流派があり、徒弟制度もあります。
英語では「calligraphy」といいます。
「習字」とは?
「習字」とは、「字を習うこと」です。
この時、習うのは文字の形や筆順です。
目的としては美しい文字を書くことであり、すなわち、美しいとされるお手本と同じ形の字を書くことです。
「習字」には毛筆を使用する「毛筆習字」とペンなどを使用する「硬筆習字」があります。
手書きの年賀状を書くような場合には、非常に役に立つでしょう。
英語では「penmanship」が近いでしょう。
「書写」とは?
「書写」とは、「書を写すこと」です。
元々書かれた文字を見ながら、同じ文字を書きます。
「書道」でも「習字」でも「書写」は欠かせません。
この時重要なのは、「書写」が、文字を書き写すことを目的としているわけではなく、文字を写すことによって、心をおだやかにし、自分を見直すことに主眼を置いています。
そういう意味では、「書写」は、「座禅」とか「ヨガ」のようなものかもしれません。
英語では「transcription」といいます。
「書道」と「習字」と「書写」の違い
習い事として行われるという意味では、この3つは同じことを表す場合もあります。
「書道」と「習字」は特に子供の習い事としてはよく聞きますが、実は全く違うものです。
大きな違いは目的です。
「習字」が美しい文字を書くことを目的としているのに対して、「書道」は精神の鍛錬や芸術作品として書を極めるのが目的です。
一方「書写」は「習字」や「書道」の中や、現在は小中学校の国語でも行われる「文字を書き写す」ことです。
まとめ
この記事では、「書道」と「習字」と「書写」の違いを説明してきましたが、前述のように、特に「書道」は、単なる習い事ではなく、大いなる道の先にある芸術です。
そういった意味では、いつでも始めることができ、どんな人にも門戸が開かれているとも言えます。
さらに、心おだやかに「書写」することも、日々の生活を見直す良い機会にもなるでしょう。