「抹消」と「削除」と「消去」の違いとは?分かりやすく解釈

「抹消」と「削除」と「消去」の違いとは?生活・教育

この記事では、「抹消」「削除」「消去」の違いを分かりやすく説明していきます。

「抹消」とは?

「抹」という字は、物に物を強く合わせて動かす、という意味があります。

手でこすってはっきり見えないようにする、という漢字です。

「抹消」で塗りつぶして消す、記載事項を消す、の意味です。


「抹消」の例文

・『データを抹消する』
あるデータをパソコンの中からすべて消すことです。

・『抹消登記』
登録されている内容がなくなったときに、登録している内容の効力を失くすための登録のことです。


「削除」とは?

「削」という字は刀物で物の表面を薄く切り取る、一部分を取り除いて全体の量を減らす、全体からその部分を取り除くなどの意味を持っている漢字です。

「除」という字は取り去る、ほうきで掃いてきれいにするのような意味があります。

「削除」では、書かれている文章の一部を消したり、パソコンのデータを部分的に消すことです。

「削除」の例文

・『余分なデータを削除した』
余分である部分的なデータを消したことです。

・『古いコンテンツを削除する』
古いコンテンツのみを消すことです。

「消去」とは

「消」という字は流れる水が消えていくという意味の象形文字です。

消えるやなくなる、尽きる、溶ける、などを表します。

「去」は、その場から離れる、時間が過ぎる、取り去る、という意味です。

「消去」で消えてなくなることや消し去ること、という意味です。

「消去」の例文

・『ファイルを消去する』
ファイル全体を消し去ることです。

・『画像の記録が消去された』
画像の記録が消し去られてしまった事です。

「抹消」と「削除」と「消去」の違い

「抹消」「削除」の意味の違いは、データに関して言うと、「抹消」は復旧不可能な消し去り方をしていて、「削除」は復旧が可能になります。

データの場合の「削除」は見えないようになっているだけで記録のなかにはまだデータが残っていることになります。

「抹消」は記録の中にもデータを残さない方法です。

パソコンのどこにもデータが存在しなくなるということです。

“抵当権の抹消”のように登録や権利がなくなります。

「削除」「消去」の違いですが、「削除」は部分的に消す場合に使い、「消去」は全体を消し去る場合に使います。

消し去る範囲として広い順に並べると、「消去」「抹消」「削除」の順番になります。

まとめ

3つの言葉は意味も似ていて少し内容が重なる部分もあります。

普段の会話の中では、どの言葉を選んでもあまり間違っているような違和感がないかもしれません。

しかし、データにおいては意味が明確に違ってくるので間違えてしまわないように注意が必要です。

また、抹消については普段はあまり口にしない言葉ではあります。

しかし、権利関係で不動産の売買などにはよく出てくる言葉なので、あらかじめ意味をしっかり理解しておきたいものです。