人は、美しいものやかっこいいものを見ると、心が惹かれるものです。
そのような場面で使われる言葉に、「魅了」と「魅力」と「魅惑」というものがあります。
三つとも「魅」という字の入った言葉で、違いのよくわからない所があります。
この記事では、「魅了」と「魅力」と「魅惑」の違いを分かりやすく説明していきます。
「魅了」【みりょう】とは?
「魅了」とは、人の心を夢中にさせることを表した言葉です。
言葉の中にある「魅」の字には、人の心を惹きつけるというような意味があります。
また「了」の字には、結末がつく、〇〇してしまうなどの意味があり、「完了」や「終了」などという言葉にも使われています。
ですから「魅了」とは、魅せられて結末がつく、すっかり魅せられてしまうといった意味の言葉になります。
人や物というはっきりしたものから、夢やロマンといった曖昧なものまで、様々なことを対象としている言葉です。
「魅了」の例文
・『あるスポーツに魅了され、プロの選手にまでなった』
・『彼女の美しさに魅了された』
「魅力」【みりょく】とは?
「魅力」とは、人の心を夢中にさせる力を表した言葉です。
「力」といっても、はっきりと測れるものではありません。
例えば、ある物を見た時に、見た人が本能的に心が惹かれれば、その人にとってその物は「魅力」を感じるということになります。
人の印象によるものなので、他の人から見れば「魅力」を感じられない場合もあります。
「魅力」の例文
・『あの俳優には、どことなく魅力を感じる』
・『魅力的な人になるには、どうしたらいいのだろう』
「魅惑」【みわく】とは?
「魅惑」とは、人の心を夢中にさせて惑わすことを表した言葉です。
人の心を夢中にさせるだけに留まらず、混乱させてしまうということです。
夢中になりすぎる気持ちを抑えられずに、どうしたらいいかわからないといった状態です。
使い方としては、〇〇される、〇〇があるとした言い方はせず、「魅惑の〇〇」といった言い方をします。
「魅惑」の例文
・『有名ダンサーが、魅惑のダンスを披露した』
・『魅惑の眼差しを向けられた』
「魅了」と「魅力」と「魅惑」の違い
「魅了」と「魅力」と「魅惑」の違いを簡単にまとめてしまうと次のようになります。
「魅了」とは、「人の心を夢中にさせること」です。
魅了する、魅了されるといった言い方をします。
「魅力」とは、「人の心を夢中にさせる力」のことです。
魅力がある、魅力がない、魅力を感じるといった言い方をします。
「魅惑」とは、「人の心を夢中にさせ惑わすこと」です。
魅惑の〇〇といった言い方をします。
どれも、人の心を夢中にさせることを表現した言葉ですが、言い方の違いなどがありますね。
まとめ
「魅了」と「魅力」と「魅惑」の違いを説明してきましたが、理解して頂けましたでしょうか。
自分の好きなこと好きな物に夢中になると、心が華やぐものです。
夢中になれるものに出会えるよう、日々好奇心を持って生活していきたいものです。