「筋違い」と「お門違い」はどちらも間違っていることを表す言葉です。
2つの言葉は具体的にどのような違いで使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「筋違い」と「お門違い」の違いを解説します。
「筋違い」とは?
「筋違い」とは、「物事の道理や常識に外れているさま」を意味する言葉です。
「筋違い」の使い方
「筋違い」の「筋」とは人としてきちんと通すべき道筋のことで、物事を成し遂げるためにすべき順序や正しい手順を表します。
「筋違い」とは物事の順番が正しいものではなく道理にあっていないことを指す言葉です。
一般的には人の間で共有されている常識や仁義など明文化されていないルールに合っていないことを表す意味で使います。
「お門違い」とは?
「お門違い」とは、「頼る相手を間違っていること」を意味する言葉です。
「お門違い」の使い方
物事を依頼する相手や力を借りる先などあてにするものを間違えているさまを表します。
権限の無い人に口添えを頼んだり貧乏人に借金を申し込んだりなど力を借りる対象として目をつける先を間違えていることを指す言葉です。
「お門違い」の「お門」とは住宅の門のことで、関係のない家に話を持ち込まれても対処のしようがないことから間違った先に話を持ち込むことを「お門違い」といいます。
「筋違い」と「お門違い」の違い
「筋違い」と「お門違い」はどちらも間違っていることを意味しますが「筋違い」は言い分や主張に正当性がなく道理から外れていることを表すのに対し、「お門違い」は内容そのものではなく話を持ち込む先や相談する相手を間違えていることを指すという違いがあります。
「筋違い」の例文
・『彼を恨むのは筋違いだ』
・『親戚でもないのに遺産を要求するのは筋違いにも程がある』
「お門違い」の例文
・『お門違いの頼みだが引き受けざるを得ない』
・『彼の資金をあてにするのはお門違いだ』
まとめ
「筋違い」と「お門違い」は似ているようで大きく意味の違う言葉です。
それぞれ何を間違えているのかを正しく理解し使い分けてください。