「倫理観」と「道徳心」は同じような意味で使われる言葉ですが、具体的にはどのような違いで区別すればいいのでしょうか。
今回は、「倫理観」と「道徳心」の違いを解説します。
「倫理観」とは?
「倫理観」とは、「人間として守るべき善悪や可不可についての考え方」を意味する言葉です。
「倫理観」の使い方
「倫理観」の「倫理」とは人の間で共有される善悪や可不可の基準を指します。
ある行いが善か悪かに絶対的な基準はなく時代や社会状況により判断基準は大きく異なります。
個人的な考えではなく社会や集団によって形成される基準が倫理であり、倫理に対する考え方や価値観を指す言葉が「倫理観」です。
「道徳心」とは?
「道徳心」とは、「個人として正しいルールを守ろうとする心」を意味する言葉です。
「道徳心」の使い方
「道徳心」の「道徳」とは正しく生きるために人としてのルールを守ることを意味します。
公共の場所をきれいに使ったり困っている人に手を差し伸べたりなど人として正しい振る舞いをしようとする心を指す言葉が「道徳心」です。
一般的には集団の一員として他の人に迷惑をかけないようルールを守ろうとする気持ちを表す言葉として使われることが多く、善悪の判断が分かれる中ではできるだけ善いことをしようとする心を表します。
「倫理観」と「道徳心」の違い
「倫理観」と「道徳心」の違いは「判断の基準」です。
「倫理観」は守るべき常識やモラルなど外部の価値基準に従って形成されるものを表すのに対し「道徳心」は善悪を弁えた上で善の選択肢を選ぼうとする個人的な心の動きを表しています。
社会や世間など集団の間で共有される判断の基準に従おうとする正しさを表すのが「倫理観」、内面に存在する正しさに繋がる行動原理が「道徳心」という違いで区別されます。
「倫理観」の例文
・『倫理観を疑う』
・『倫理観が欠如している』
「道徳心」の例文
・『道徳心に訴えかける』
・『道徳心に期待する』
まとめ
「倫理観」と「道徳心」はとてもよく似た意味を持つ言葉です。
判断の根拠になる基準の違いで区別されるので憶えておきましょう。
