この記事では、「抜山蓋世」と「抜山倒河」の違いを分かりやすく説明していきます。
「抜山蓋世(ばつざんがいせい)」とは?
「抜山蓋世」とは、「山を引き抜くほど超絶な力と世界を覆いつくすほど強大な気力があること」を意味する言葉です。
「抜山」は「山を引き抜くこと」を表し、「蓋世」は「世界を覆う」や「世を圧倒すること」を表しています。
「抜山蓋世」は古代中国の歴史書「史記」が出典であり、楚の将「項羽」が最期の酒宴にて自らの溢れる意気と力量を語ったときに発した言葉です。
「抜山蓋世」の使い方
「抜山蓋世」は名詞として使われています。
「抜山倒河(ばつざんとうが)」とは?
「抜山倒河」とは、先述した「抜山蓋世」と同じく「超絶な力と強大な気力があること」を意味する言葉です。
「倒河」は「河を逆さまに流すこと」を表しています。
「抜山倒河」の使い方
「抜山倒河」は名詞として使われています。
「抜山蓋世」と「抜山倒河」の違い
「抜山蓋世」と「抜山倒河」はどちらも主に「超絶な力と強大な気力があること」を意味する四字熟語です。
力や気力の大きさをそれぞれ「山を引き抜くほど」(=抜山)、「世を覆いつくすほど」(=蓋世)、「河を逆さまに流すほど」(=倒河)と例えているのです。
ちなみに、2語に類似した四字熟語として、「抜山倒海(ばつざんとうかい)」や「抜山翻海(ばつざんほんかい)」などもあります。
「抜山蓋世」の例文
・『抜山蓋世で有名なこの武将の武勇伝は死後も長く後世に伝えられた』
・『彼の溢れんばかりのバイタリティーと言えば、抜山蓋世と言うにふさわしい』
「抜山倒河」の例文
・『千人力の活躍を果たしたこの人物はまさに抜山倒河の英雄と言える』
・『リーダーの抜山倒河のごときオーラに部下の誰もが勇気づけられた』
まとめ
「抜山蓋世」と「抜山倒河」はいずれも主に「超絶な力と強大な気力があること」を意味する四字熟語です。
したがって、2語は類義語の関係に当たると解釈できます。