「文書」と「文章」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「文書」と「文章」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「文書」「文章」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「文書」と「文章」の違い

「文書」「文字を書いて記録した媒体」を意味していて、「小説・物語などの創作物の含意」はほぼありません。

「文書」と比較して「文章」は、「複数の文を組み合わせてまとまった意味・内容を表現したもの」を意味している違いがあります。

「文章」「文書」とは異なり、「小説・エッセイ(随筆)・詩文・ノンフィクションなどの創作物全般」も含まれます。

「文書」「文章」よりも、「物語的・創作的な内容の要素が乏しくて、かしこまった印象がある文字で記された媒体そのもの」を示している点が異なっています。


「文書」と「文章」の使い方の違い

「文書」は、文字の内容・含意よりも「紙(書類)に書かれた文字」「電子媒体・画面に表示された文字」といった媒体の意味で使われます。

「文章」「文書」とは違って、「二つ以上の文をつなげて、特定の意味合いを持つようになったもの」の意味で使用されている違いがあります。

そのため、「ビジネス文書・公文書・私文書」という使い方はしますが、「ビジネス文章・公文章・私文章」という使い方は通常しない点も異なっています。


「文書」と「文章」の英語表記の違い

「文書」を英語を用いて表記すると以下になります。

“document”……文字で書かれた書面として記録されたドキュメント。文書。

“writing”……書き込み(ライティング)をしたもの。執筆された文書。文書。

“letter”……文字で書かれた手紙・書簡などの文書。

「文章」を英語を使って表記すると以下になります。

“sentences”……単数形“sentence”で短かい一つの文、複数形で二つ以上の文が組み合わされた文章を意味します。

“text”……文字で書かれていて特定の意味を持つ文章全般を意味する英語。文章。

「文書」の意味

「文書(ぶんしょ)」とは、「紙(書面)に記された文字および画面(スクリーン)に表示された文字」を意味しています。

「文書」という言葉は「書き言葉である文字を記している媒体そのもの」を意味していて、「文字が示唆している意味・物語・感情の要素」は乏しくなっています。

「文書」の使い方

「文書」の言葉は、「文字である媒体(紙・画面)に書き記されたもの全般」を意味して使用できます。

「文書」というのは、「公文書・私文書・外交文書のように書類に文字を書いたもの」の意味で使われる言葉です。

紙・書面だけではなく、「Word文書などスクリーンに文字を映し出したもの」を指して使うことも可能です。

「文書」を使った例文

・『国や自治体の公文書を偽造した罪に問われた公務員は、間もなく懲戒免職の処分を受けました。』 ・『その大学教授は、博物館で古い時代の文書を保管したり解読したりする仕事も請け負っていました。』 ・『ビジネス文書には一定の形式やルールがあるので、何度も実際にメールなどを書いてみて慣れていく必要があります。』 ・『次回の社内会議で使用するこの文書を印刷しておいてほしいと上司に頼まれました。』 ・『外交文書の多くは機密書類の扱いとなっているため、政治家・外交官など一部の関係者しか閲覧することはできません。』

「文書」の類語

「文書」の類語には、以下の言葉があります。

・『書き物(かきもの)』……文字で書かれているもの。

・『書類(しょるい)』……ビジネス・手続きなど何らかの目的があって作成される文書。

・『ドキュメント』……書類あるいは電子データとしてつくられた文書。

・『テキストファイル』……パソコンやスマホなどで閲覧するための文書を作成・保管したファイル。

「文書」の対義語

「文書」「紙面などに書き言葉・文字で書かれたもの」を意味している言葉であり、国語辞典などに掲げられている「文書」の対義語はありません。

「文章」の意味

「文章(ぶんしょう)」とは、「二つ以上の短い文をつらねて、特定の意味・内容を表現したもの」を意味しています。

「文章」というのは、「いくつかの短い文を組み合わせることで、創作物を含めて、思想・感情を表したもの」を示している言葉です。

「小説・エッセイ・詩文・台本・ノンフィクションなどの創作されたもの」「文章」に該当します。

「文章」には、「形式のある詩文ではない散文」の意味もあります。

「文章」の使い方

「文章」は、「複数のセンテンス(文)をつらねて、思想・物語・感情などを表したもの」の意味で使うことができます。

「文章」という表現は、「ある程度の長さを持つ文によって、意味や物語を表現したもの」を指して使う使い方になります。

例えば、「文章表現を工夫する修辞の技術は古代ギリシアの時代から研究されてきました」といった文章で使用されます。

「文章」を使った例文

・『生徒が提出した論文の文章を細かく精査しながら添削していました。』 ・『その人が書いた文章を見ると、その人の大まかな性格傾向や思想・価値観などを想像することができます。』 ・『私は小学生の頃から、算数の文章問題が問いかけている意味を適切に理解することができませんでした。』 ・『私が書く文章はいつも堅苦しいと言われるので、やわらかい文章を書くように意識しているつもりです。』 ・『複数の識者が出版社に寄稿してくれた文章の内容を分かりやすく要約する編集作業をしています。』

「文章」の類語

「文章」の類語には、以下の言葉があります。

・『書物(しょもつ)』……たくさんの文章を組み合わせて特定のテーマや物語について書かれたもの。一定のボリュームがある書籍・本。

・『テキスト』……何らかの意味・物語を表すために文字で書かれているものすべて。

・『レポート』……研究調査・資料・読書などの事実に基づいて書かれた報告書。特定の課題に対して調べて書いた報告書。

「文章」の対義語

「文章」「いくつかの文の組み合わせで何らかの意味・内容を伝えるもの」を指しているため、国語辞典などに挙げられている「文章」の対義語は存在しません。

まとめ

「文書」「文章」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「文書」「文章」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の解説をチェックしてみてください。