「退治」と「駆除」はどちらも害をなすものに対する対処を表す言葉です。
似たような意味で使われることが多い2つの言葉ですがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「退治」と「駆除」の違いを解説します。
「退治」とは?
「退治」とは、「害をなす者を懲らしめること」を意味する言葉です。
「退治」の使い方
悪人や害虫など不利益をもたらすものを力で懲らしめ二度と不利益をもたらさないようにすることを指します。
相手の活動を止めることが目的であり必ずしも滅ぼすわけではありません。
痛手を与えて活動不能にしたりその場から排除したりなど結果的に不利益がもたらされない平穏な状態になれば「退治」です。
一般的には力ずくで打ちのめすような強制力を伴う行為を表しますが、法律で規制したり活動できない状態を作ったりなど直接的に危害を加えずに「退治」することもあります。
「駆除」とは?
「駆除」とは、「害をなすものを駆逐し排除すること」を意味する言葉です。
「駆除」の使い方
害をなすものを二度と悪さができないように徹底的に叩き潰すことを意味します。
基本的には害をなすすべての存在を殺して後に続くものがない状態にすることを指し、殺虫剤でシロアリを根絶やしにしたり危険な野生動物を射殺したりなど命を奪って取り除くことを表す言葉です。
「退治」と「駆除」の違い
害をなす存在に対して害をもたらさない状態にするのが「退治」、2度と活動できないような状態にして取り除くのが「駆除」という違いで区別されます。
「退治」は追い出したり屈服させたりといった穏便な方法を含むのに対し「駆除」は皆殺しにするような手ぬるさのないやり方に対して用いられる表現です。
「退治」の例文
・『悪さをする猿を退治する』
・『鬼ヶ島に鬼退治に出かける』
「駆除」の例文
・『害虫駆除を依頼する』
・『徹底的に駆除したのでもう安心だ』
まとめ
「退治」と「駆除」は徹底さが大きな違いです。
命を奪うところまでやるかどうかを基準に区別してください。