「質素」と「シンプル」は似たような意味合いで使われる言葉ですが、どのような違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「質素」と「シンプル」の違いを解説します。
「質素」とは?
「質素」とは、「つましく控えめであること」を意味する言葉です。
「質素」の使い方
見た目に飾ったところがなく控えめな様子を指します。
目立ったところや派手な部分がなくつましい様子を表す言葉として使われることが多く、外見的な特徴に加えてお金がかかっていないという経済的な要素も含む表現です。
飾り気のない地味な見た目のものであっても一流職人が特別に仕立てた物品はとても価値が高いので「質素」という表現は使われません。
「シンプル」とは?
「シンプル」とは、「無駄なところがなく単純なさま」を意味する言葉です。
「シンプル」の使い方
余計な要素や不要な付け足しがなく単純ですっきりしている様子を表します。
複雑な構成や凝ったつくりなどがなく簡単であることを肯定的に評価する時に使うことが多く、簡素であることが良い方向に働いてる場合に用いられる表現です。
色使いやデザインなど見た目の単純さのほか、仕組みや機構など構成に複雑なところがなく分かりやすく作られている様子に対しても使います。
「質素」と「シンプル」の違い
どちらも単純で無駄なところがない様子を表す言葉ですがお金がかかっていないのが「質素」、経済的な要素を含まないのが「シンプル」という違いで区別されます。
食事を例にすると安い材料ばかりを使って簡単に作った食事が「質素」、珍しい食材や凝った調理方法などを使わない単純な食事が「シンプル」です。
「質素」の例文
・『質素な生活を心がけている』
・『質素倹約がモットーだ』
「シンプル」の例文
・『シンプルなデザインの服』
・『シンプルな仕組みで動いている』
まとめ
似たような意味合いで使われる「質素」と「シンプル」ですが経済的な要素を含むかどうかで区別されます。
言葉の持つニュアンスにも違いがあるので混同しないよう注意して下さい。