この記事では、「基調」と「傾向」の違いを分かりやすく説明していきます。
「基調」とは?
この言葉には3つの意味があります。
1つめは、思想や作品などの大本にある考え方やある方向という意味です。
ある小説は世界平和を題材にしていたとします。
この小説の根底にある考えが世界平和です。
こういった大本となる考えのことを意味します。
2つめの意味は、絵画や衣服などで中心となっている色です。
全体的に赤を使っていて、その中に白のラインが入っているユニフォームがあるとします。
このユニフォームには赤と白を使っていますが、中心となる色は赤です。
このことを「赤を基調にしたユニフォーム」といいます。
3つめの意味は、楽曲の大本となるしらべです。
「基」は物事の土台、よりどころ、「調」は音楽や文章などの趣という意味を持つ漢字です。
「傾向」とは?
この言葉には3つの意味があります。
1つめは、大勢がある方向に傾くことや態度がある方向に傾くこと、また傾きがちであることです。
たとえば、このごろは消費者は派手なものを好むようになってきているとします。
派手なものを好むという方向に傾いているのです。
これを「消費者の傾向」といいます。
2つめの意味は、考えや意見などがある方向に傾くことです。
3つめの意味は、心理学で一定の刺激に対して定まった反応を示す生命あるものの性質です。
「傾」という漢字には、かたむく、一定の方にかたむくという意味があり、「向」という漢字には、ある方向にむかう、おもむきという意味があります。
「基調」と「傾向」の違い
「基調」と「傾向」の違いを、分かりやすく解説します。
前者は大本となっている考えや、中心となっている色という意味です。
大本、根本という意味が含まれています。
後者はある方向に傾くことや、傾きがちであることです。
まとめ
2つの言葉は意味が異なり、一方は根底にあるもの、もう一方はある方向に傾くことをいいます。