この記事では、「効果」と「成果」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「効果」と「成果」の違い
「効果」には、2つの意味があります。
1つめは、何かをして現れる、そうあって欲しいという結果、しるしです。
もう一つは、舞台や映画などで、その場面に趣を出すための技術や方法です。
音、光、雨などがあります。
「成果」とは、何かをして手に入れることができる、好ましい状態、結末です。
どちらの言葉にも結果という意味が含まれていますが、同じことを指しているのではありません。
「効果」の場合は、期待できる結果が現れることです。
何か働きかけをして、それによって現れる好ましいこと、効き目を指しています。
たとえば、頭が痛いときに痛み止めを飲むと、頭が痛いという状態が治まります。
頭が痛い状態が治まったというのは、好ましい状態が現れたということができます。
また、痛み止めを飲むのは、飲めば頭が痛い状態が治まるだろうという期待があるからです。
「成果」には、手に入れるという意味があります。
最終的に手にできる好ましい結末のことです。
たとえば、マラソン大会に向けて走る練習をしていたとします。
その甲斐があって、マラソン大会では3位以内に入ることができました。
3位以内に入ることができたのは、この人にとっては好ましい結末です。
また、3位以内という栄誉を手に入れることができたということもできます。
「効果」と「成果」の使い方の違い
ある働きかけによって現れる、望ましい結末のことについて「効果」を使用をします。
あるものから別のあるものに何かをして現れるものをいいます。
また、舞台や映画などで趣を出すための技術や方法についても使用します。
何かをすることによって得られる好ましい結末のついて「成果」を使用します。
あるものから別のあるものに何かをして現れるものではなく、自分自身が何かをすることについて使うことが多いです。
「効果」と「成果」の英語表記の違い
「効果」は英語で“effect”や“result”や“effectiveness”と表現をします。
「成果」は英語で“result”と表現をします。
「効果」の意味
「効果」には、2つの意味があります。
1つめは、あるものから別のあるものに何かをして現れる、好ましい結末・状態のことです。
トラネキサム酸という成分があります。
この成分には、メラニンが生成される過程で作られるプロスタグランジンなどの物質を抑える働きがあります。
また、プラスミンという物質の働きを抑えて、抗炎症作用を発揮します。
これによって、シミを予防する働きがあるとされています。
トラネキサム酸は内服薬があります。
トラネキサム酸の内服薬を飲む、つまりトラネキサム酸がそれを飲んだ人に働きかけることで、シミを予防するという結果が現れます。
シミを作りたくない人にとっては、シミを予防するという結果は好ましいことです。
このことは、あるものが別の何かに働きかけて、ここではトラネキサム酸がある人に対して働きかけて、好ましい状態が現れた、ここではシミを予防するという状態が現れたということができます。
こういった、何かが働きかけて現れるよい結末を意味する言葉です。
もう一つの意味は、舞台や映画などで趣を出すための技術や方法のことです。
舞台演技では、紙吹雪を使う、音を使う、光を与えるなどして、舞台の雰囲気を出しています。
これらの技術や方法のことを指している意味です。
「効果」の使い方
何かが別の何かに働きかけて現れる、好ましい結末・状態について使用をします。
悪い結末や状態については使用しません。
また、自分自身に対して自分が何かをすることではなく、別のものの作用によるものについて使用をします。
たとえば、薬を飲むと何かしら変化がありますが、これは自分が自分に対して何かをしたからではなく、薬が人に対して何かをしたから現れる変化です。
「効果」を使った例文
・『殺菌効果を発揮します』
・『これはプラシーボ効果なんかじゃない』
・『運動をすることで血行がよくなる効果があります』
・『血液をサラサラにする効果が期待できます』
「効果」の類語
「効能」「効き目」が類語です。
「効能」は、好ましい結果が現れる働きかけのことで、主に薬についていいます。
「効き目」は、あるものが他のものに働きかけて現れる好ましい結末・状態のことです。
「効果」の対義語
「無効」が対義語です。
働きかけがないという意味があります。
「成果」の意味
「成果」とは、何かをして手にすることができる好ましい結末・状態のことです。
泳げない人が泳ぐ練習をしました。
最初は息継ぎをすることができなかったのですが、練習をすることで息継ぎができるようになりました。
そして、25mを泳げるようにもなりました。
これは練習をすることで、泳げるようになるという好ましい結末を手に入れることができたということができます。
毎月1万円を貯金すると決めました。
これを1年間続けると、1年間で12万円を貯金することができます。
貯金をしている人はお金を貯めたいと考えてやっていたことなので、お金が貯まったのはよい結末です。
このように、何かをして手にできるよい結果のことを意味する言葉です。
「成果」の使い方
何かをして手にできる好ましい結末や状態について使用をします。
何かをして悪い結末や状態になることには使用しません。
あるものが別の何かに働きかけることではなく、自分自身が何かをすることについて使うことが多いです。
「成果」を使った例文
・『毎日練習をしていた成果が出た』
・『すぐに成果が現れた』
・『トレーニングをした成果を見せたい』
・『成果が出るように努力をする』
「成果」の類語
「収穫」が類語です。
何かをすることで手にできる結末・状態という意味や、農作物を取り入れることという意味があります。
「成果」の対義語
対義語はありません。
まとめ
どちらの言葉も得られる結果のことですが、「効果」はあるものから別のあるものによる働きかけで現れるもの、「成果」は何かをすることで手にできるもので、意味合いが違います。