「孤高」と「孤独」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「孤高」と「孤独」の違い生活・教育

この記事では、「孤高」「孤独」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「孤高」と「孤独」の違い

「孤高」とは、一般の人たちが暮らしている世界から離れて、ひとり自分が心に決めたことを守ることです。

「孤独」とは、心を通わせる人や一緒に何かをする人、身よりがなく、ひとりであることです。

どちらの言葉にも、ひとり、ひとりぼっちという意味を持つ漢字である「孤」が使用されており、2つの言葉はどちらもひとりという意味を含んでいます。

しかし、まったく同じ意味を持つ言葉なのではありません。

「孤高」の場合は、好んでそのような状態になっています。

自分がそうなりたい、そうしようと思って、一般の人たちが暮らす世界から離れている状態です。

そして、一般の人たちが暮らす世界から離れた目的があり、その目的は自分が心に決めたことを守ることです。

「孤独」の場合は、好んでそのような状態になっているのではありません。

何らかの理由があり、自分は望んでいないけれど、そのような状態になっています。

また、目的があって、そのような状態になっているのではありません。


「孤高」と「孤独」の使い方の違い

俗世間から離れ、自分が決めたことを守ることについて「孤高」を使用します。

寂しいというニュアンスはありません。

心を通わせられる人や身よりがなく、ひとりで寂しい状態について「孤独」を使用します。


「孤高」と「孤独」の英語表記の違い

「孤高」を一言で表すピッタリな言葉はありません。

やや意味合いが異なりますが、人里離れたという意味で“lonely”と表現できます。

「孤独」は英語で“solitude”“loneliness”と表現をします。

「孤高」の意味

「孤高」とは、一般の人たちが暮らす世界から離れ、ひとり自分が心に決めたことを守ることです。

実際に人里離れた場所に暮らすのではなく、一般の人たちが住んでいる場所に暮らしながらも、自分の世界にいること、自分が決めたことを守っていることを意味しています。

俳優の中には、自分の世界を持っているような人が存在しています。

独特の雰囲気があり、その世界を壊してはいけないような雰囲気をまとっています。

自分の志があり、それを守って生活をしたり、演技をしているのでしょう。

こういった人は、他人の意見に簡単に流れることがありません。

自分が心に決めたことを守っているからこそ、簡単に他人の意見に流れることがないのです。

自分が心に決めたことを守り続ける人は、他の大勢の人たちと考え方が合わないことがあるかもしれません。

しかし、そのことを悲しい、寂しいとは感じません。

自分で決めて「孤高」を守っているからです。

自ら望んでそのような状態になっています。

だからといって、俗世間の人にうとまれているわけではありません。

「孤」という漢字にはひとりという意味があり、ひとりは寂しいという印象がありますが、「孤高」には寂しいという意味は含まれていません。

「孤高」の使い方

自分が決めた目標、目的、ある方向を目指す気持ちなどを守ることについて使用をします。

他人が何かを言って、簡単に心に決めたことを変えてしまうようなことには使用しません。

ひとりという意味を持つ漢字の「孤」が使用されていますが、ひとりで寂しい意味は含まれていないため、寂しい意味で使用することもありません。

「孤高」を使った例文

・『孤高の姿勢を守る』
・『孤高の画家を演じる』
・『孤高の天才と呼ばれていた』
・『孤高な感じのする人でした』

「孤高」の類語

「ひとり」が類語です。

「孤高」の対義語

「つるむ」が対義語です。

誰かとともに何かをするという意味があります。

「孤独」の意味

「孤独」とは、心を通わせられる人や一緒に何かをする人、身よりなどがなく、ひとりであることです。

寂しいという意味が含まれています。

好んでそうなったのではないのに、ひとりでずっと家にいると寂しく感じることがあるでしょう。

誰かと話したい、誰かと一緒に行動したいなど感じるはずです。

このとき、心を通わせられる人や一緒に何かをする人がいない状態になっています。

そのため、寂しく感じています。

こういった状態を指す言葉です。

周りに多くの人がいても、誰ともつながっていない、寂しいと感じることはあります。

周りに大勢の人がいても、その人たちのことを仲間と思えなければ、寂しく感じるのです。

「孤独」は周りに多くの人がいないという意味ではなく、精神的にひとりであるという意味を持つ言葉です。

高齢者の「孤独死」が問題になっています。

ひとりで亡くなってしまい、長期間放置されてしまいます。

このような人は、身よりがなく、近所に頼れる人もいなかったと考えられます。

寂しい思いをしていたかもしれません。

長期間放置されることも問題ですが、精神的なことも問題であるとされています。

こういった例があるように、「孤独」は深刻な状態と捉えられることがあります。

「孤独」の使い方

周りに人がいる・いないにかかわらず、精神的にひとりであることについて使用をします。

自分の気持ちを打ち明けられる人がいない、親類・縁者がいない、頼れる人がいないといった状態をいいます。

周りに大勢の人がいても、精神的に他の人たちとつながっていないと感じるようなら使用することができます。

「孤独」だと感じている本人が使用することもあれば、本人以外の人が使用することもあります。

「孤独」を使った例文

・『孤独な人なのだろうと思った』
・『孤独を強く感じた』
・『この小説は孤独な青年の物語です』
・『孤独に耐えることができない』

「孤独」の類語

「ひとりぼっち」が類語です。

深刻な状態であるという意味は、「孤独」ほど含まれていません。

日常の会話で使われる言葉です。

「孤独」の対義語

「仲間がいる」が対義語です。

一緒に何かをする人がいるという意味です。

まとめ

ひとりを意味する2つの言葉ですが、寂しいというニュアンスを含んでいるか、いないのかという点が大きく意味が異なります。

また、使われる場面も違います。