「元々」と「そもそも」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「元々」と「そもそも」の違い生活・教育

この記事では、「元々」「そもそも」の違いを分かりやすく説明していきます。

「元々」と「そもそも」の違い

「元々」「そもそも」の違いについて紹介します。


「元々」と「そもそも」の使い方の違い

「元々」「ものごとの最初について話題にする時の言葉」に使われます。

今話題となっているものの最初や起源などについて説明することを表しています。

「そもそも」「ものごとの最初に戻り話の流れを変える時の言葉」に使われます。

今話題になっているものには直接関係のないこと、或いは間接的に関係のあることで、話の趣旨が変わることを表しています。


「元々」と「そもそも」の英語表記の違い

「元々」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「orininal」で、「初代の」「最初の」「元々」という意味の形容詞であり、「オリジナル」と日本語にもなっています。

形容動詞形は「originally」になります。


“This rule was originally decided for woman.”
(この規則は元々女性向けに定められたものです)
2つ目は「in the first place」で、「最初の段階で」=「元々」というニュアンスです。

こちらは、「問題の原点に戻る」という意味で使われます。

“I thought it was not suitable to me in the first place.”
(元々自分に見合っていないと思っていた)
「そもそも」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「from the start」で、「当初は」「そもそも」というニュアンスです。

“I never trust her from the start.”
(そもそも彼女を信頼していなかった)
2つ目は「anyway」「いずれにせよ」「ともかく」「そもそも」と、話の流れを変えるニュアンスがあります。

“Why did you decide to move to Tokyo anyway?”
(そもそも何で東京に引っ越そうと思ったの?)

「元々」の意味

「元々」「もともと」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「ある行動を起こす前と後とで、何も変わらないこと」という意味で、行動を変えて良いことも悪いことも起きないことを言います。

2つ目は「ものごとのはじめから」という意味で、根本的な性質を表します。

「元々」には、それまでの話題の中心から離れるという働きはなく、単に「話題となっているものごとの始まり」について言い及ぶ時の表現です。

「元」「ものごとの根本をなすところ」という意味で、も「元々」と繰り返すことにより、意味を強調しています。

「元々」の使い方

「元々」は、「ある行動を起こす前と後とで、何も変わらないこと」「ものごとのはじめから」に使われます。

名詞・形容動詞として「元々だ・である」と使われたり、「元々~だ」と副詞として使われたりします。

基本的に、ある話題に沿って話している時に、その内容をより明確にする為に、「前の様子」「始まりの様子」を表す表現です。

「元々」を使った例文

・『ダメで元々だから何も心配する必要なないよ』
・『あの二人は元々カップルだったが、今ではそれぞれ恋人がいるらしい』
・『この周辺は元々野原だったが、いつの間にかたくさんの住宅が建てられた』
・『仕事の向き・不向き以前に、彼は元々やる気がなかった』
・『元々私のアイデアだったのに、いつの間にか上司のものにされてしまった』

「元々」の類語

「元来(がんらい)」
「最初からそういう状態・性質であること」「ものごとを説いたり、疑問を表す時に最初に言う言葉」という意味です。

「彼は元来酒が飲めない人だった」などと使われます。

「本を正せば(もとをただせば)」
「ものごとの原因や起りを調べてはっきりさせること」という意味です。

「本を正せば作業の簡略化ばかりを考えていたのが失敗だった」などと使われます。

「元々」の対義語

「元々」に対義語はありません。

「そもそも」の意味

「そもそも」は、漢字で「抑々」「抑」「抑も」と書き、以下の2つの意味があります。

1つ目は「最初は」「発端は」という意味で、ことの起こりを表す言葉です。

こちらの場合「元々」とほぼ同じ意味になります。

2つ目は「話題の流れを変えて、初めに戻ること」という意味で、話の主軸や方向性を変える時の言葉です。

「元々」と違うのはこちらの意味がある点です。

話題の趣旨とは離れて、始めの時点ではどうであったかを説明することを表す表現です。

これにより話題が変わることもあり、話術として活用される言葉です。

「そもそも」の使い方

「そもそも」「最初は」「発端は」「話題の流れを変えて、初めに戻ること」に使われます。

名詞として使われたり、言葉の中で接続詞として使われることが多くなります。

「そもそも」は、会話している人の中で主導権を握っている人が使うことが多く、会話の流れをコントロールする目的があります。

「そもそも」を使った例文

・『この計画にはそもそも反対だったので、今更意見も何もない』
・『イベントを開催する目的がそもそも違っているのではないか』
・『そもそも何故彼らは機嫌が悪いんだね?』
・『あの人に仕事をお願いしたのがそもそもの間違いだった』
・『そもそも人間といういものは隙あらばさぼりたいと思うものだ』

「そもそも」の類語

「本質的には(ほんしつてきには)」
「根本的な性質に関わること」という意味です。

「人間は本質的にはそうそう変われない生き物だ」などと使われます。

「本来(ほんらい)」
「もとからそうであること」「それが当たり前であること」という意味です。

「この場合、本来は相手から謝ってくるべきではないのか」などと使われます。

「そもそも」の対義語

「そもそも」に対義語はありません。

まとめ

今回は「元々」「そもそも」について紹介しました。

「元々」「ものごとの最初について話題にする時の言葉」「そもそも」「話題の流れを変えて、初めに戻ること」と覚えておきましょう。