物事が栄えることを意味する言葉として「隆盛」と「興隆」があります。
このふたつはどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「隆盛」と「興隆」の違いについて解説します。
「隆盛」とは?
「隆盛」とは、「物事の勢いが増して発展し栄えること」を意味する言葉です。
「隆盛」の使い方
国が大きくなったり観光地に沢山の人が集まったり勢力が拡大したりなど「活気に望ましい状態になること」を指して「隆盛」と表現します。
もともとは小さかったり弱かったりした存在が様々な経緯を経て立派に成長した様子を指します。
「隆盛」というのは「物事の勢いがまして絶頂期に近い状態にあること」を指します。
変化を折れ線グラフで表現すると大きく上昇した後に高止まりし安定した状態になっているのが「隆盛」でありもともとの状態から比べると圧倒的に高い水準をキープし下落することなく推移している様子を表します。
一般的は国や企業など特定の個人ではない形のない集団や集まりに対して使われる言葉です。
個人に対して使う場合は権力や勢力などその人個人ではなく個人に属する力とその影響力を対象にして「隆盛」という表現を用います。
「興隆」とは?
「興隆」とは、「物事の勢いが増しつつあり発展していること」を意味する言葉です。
「興隆」の使い方
「興隆」とは簡単にいえば「校長で成長の途中にあること」を指す言葉です。
グラフで表すなら右肩上がりに成長している途中の段階であり前からどんどん伸びていてこれからも更に伸びると予想される状態にあるときに使います。
「興隆」の「興」には「物事がスタートする」「どんどん成長して盛んになる」という意味があります。
一度落ちてしまったところから再びスタートする「復興」や現状からさらに勢いを増す「振興」など、全体として底上げされ水準が上がっている様子を指します。
「隆」は「高く盛り上がること」を意味する言葉です。
ふたつの言葉の意味を合わせた「どんどん盛り上がり成長している」というのが「興隆」であり上昇しているがまだ上がりきっていない状況に対して使われます。
「隆盛」と「興隆」の違い
「隆盛」と「興隆」の違いは「将来の成長」です。
「隆盛」は成長を成し遂げて高い水準を安定的に保っている状態を表します。
グラフで言えば右肩上がりの成長が止まり横ばいが続いている発展が完了した段階です。
「興隆」は成長しつつある途中の段階を指します。
グラフだと右肩上がりに上昇を続けている段階でありこれまでも成長を続けていますがこの後も泊まることなくさらに成長を続けていくのが「興隆」です。
「隆盛」というのは一般的に未来から過去を振り返って使われる言葉であるのに対し、「興隆」は今後の発展も含まれる表現なので現在発展しつつある対象に対して用いるという違いがあります。
「隆盛」の例文
・『かつて隆盛を誇った都だが今は見る影もない』
・『音楽業界ではストリーミング配信が隆盛を極めている』
「興隆」の例文
・『地域の興隆を目的に共同基金を設立する』
・『マイナースポーツで興隆を実現するにはオリンピックでのメダル獲得が不可欠だ』
まとめ
「隆盛」と「興隆」はどちらも好調や順調な様子をあらわす言葉ですが意味は大きく異なります。
安定しているのかそれとも発展途上なのかに注目してふたつの言葉を使い分けてください。