憐憫と哀憐は、意味がとても似ている言葉です。
憐憫と哀憐にはどのような違いがあるのかを紹介します。
憐憫とは?
憐憫とは、人の不幸や悲しみをかわいそうに思ってあわれむことをいいます。
情けをかけることという意味もあります。
また、読み方は「れんびん」ですが、「れんみん」と読んだりもします。
憐憫の「憐」には、あわれむとか惜しむ、かなしむ等の意味があります。
「憫」は、かわいそうに思うとか不憫に思うといった意味を持っています。
それからあわれむという意味もあります。
憐憫の「憐」にも「憫」にもあわれに思う気持ちが含まれているので、より強くあわれに思うことを表しているのが憐憫です。
憐憫の使い方
・親を亡くした幼い子供を見て憐憫の情を覚えた。
・やせ細った子猫を見て憐憫の感情が湧いてきた。
・舞台で大失敗をした彼に皆、憐憫の眼差しを向けていた。
・凶悪犯罪の被害者だけではなく、加害者にも憐憫を感じた。
憐憫は堅苦しい言葉なので、日常会話で使われることはほとんどありません。
小説などで使われているのは目にしたことがある人も多いと思います。
また、憐憫は自分以外の他人や動物に対して抱く感情を表しています。
自分のことをかわいそうと思ったりあわれむ場合には、自己憐憫と言ったりします。
憐憫の眼差しは良く使われている言葉で、同情するような視線のことをいいます。
哀憐とは?
哀憐とは、悲しんだりあわれんだりすることを言います。
また、気の毒に思うという意味も含まれています。
哀憐の読み方は「あいれん」です。
哀憐の「哀」には、かなしい、あわれむ、いつくしむ等の意味があります。
「憐」にもあわれむ、かなしむといった意味があります。
かなしい気持ちとあわれむ気持ちが2つ重なって生まれた言葉です。
かなしい気持ちとあわれむ気持ちを強く表現する意味で使われています。
哀憐の使い方
・我が子と離れ離れになった母親の姿を見て哀憐の感情を抱いた。
・ずっと泣き続けている様子を見ていたら哀憐を感じた。
・彼女の視線は哀憐を請うものなので、放っておけない気持ちになる。
・災害の現場では自然に哀憐の気持ちが湧いてくる。
哀憐も日常的な会話で使われることはほとんどありません。
非常に堅苦しい印象があります。
憐憫と哀憐の違い
2つの言葉には、どちらにもかなしい気持ちとあわれむ気持ちが含まれています。
憐憫の方があわれむ気持ちが強く表現されており、哀憐の方がかなしむ気持ちが強く表現されています。
不幸な状況に陥っている人や動物を見て、同情する気持ちが強いのは憐憫の方です。
また、哀憐よりも憐憫の方が、比較的使われることが多い言葉になります。
自分自身をあわれむ自己憐憫などは、聞いたことがある人も多いです。
まとめ
憐憫も哀憐もかわいそうに思ってあわれむことをいいます。
憐憫の方があわれむ気持ちが強く、哀憐の方がかなしむ気持ちが強く出ています。
どちらも堅苦しい表現なので、日常会話では使われません。