「ぜったいぜつめい」という四字熟語を書く時に、「絶対絶命」と書けばいいのか「絶体絶命」と書けばいいのか迷ってしまうこともあると思います。
その違いについて紹介します。
絶対絶命とは?
絶対絶命という言葉は存在しておらず、絶体絶命を間違えて覚えている場合がほとんどです。
なぜ、間違って覚えている人が多いのかというと、「絶対」と言う言葉は日常的によく使われているからです。
「絶対」には、何が何でもとかどうしてもといった意味があります。
例えば、「明日の試合には絶対に勝ちたい」「絶対に約束は守る」といった使い方をします。
また、他に対立するものや拘束するものがないこと、他の何ものにも拘束されたり制限されたりしないこととという意味もあります。
「絶対君主」や「絶対の権力」といった使い方をすることも多いです。
それに対して「絶体」は、それ自体だとあまり使われない言葉です。
あまり馴染みがないので、「ぜったいぜつめい」というと「絶対絶命」という漢字を思い浮かべる人も多くいます。
漢字の使い方としては間違っています。
絶体絶命とは?
絶体絶命とは、苦難や困難からどうにも逃れようがない状況に追い込まれていることをいいます。
「絶体絶命の危機に瀕している」とか「チームの主力メンバーが怪我をして絶体絶命の状況だけれど、残りのメンバーで何とか乗り切りたい」などの使い方があります。
絶体絶命は危険や困難に直面し、前に進むことも後ろに退くこともできない状況を表す四字熟語です。
絶体絶命の由来は、古来から中国で用いられてきた九星占いにあるといわれています。
九星気学とも呼ばれており、宇宙のエネルギーである気を9つに分類し五行(木・火・土・金・水)の相性を組み合わせた占術になります。
九星によって物事の吉凶や運勢を占う占術で、日本の陰陽道にも通じています。
「絶体」も「絶命」も九星占いでは、不吉な星とされる凶星を表しています。
「絶体」は体が失われてしまうような状況を表しており、「絶命」は命を失う状況のことをいいます。
その「絶体」と「絶命」が重なったことで、どのように転じても逃れようのない差し迫った状況を表す「絶体絶命」という言葉になりました。
「絶命」と言う言葉は一般的に使われているので、比較的馴染みがあります。
「絶対絶命」と「絶体絶命」の違い
「ぜったいぜつめい」という四字熟語に使われる漢字は、「絶体絶命」です。
「絶対絶命」というのは間違った使い方です。
「絶対」という言葉は普段から良く使われているので、間違いやすいといえます。
そのため漢字のテストなどでは、出題されることが多いです。
まとめ
「絶対絶命」は間違った使い方で、「絶体絶命」と書くのが正しいです。
「絶体絶命」の由来は九星占いで、「絶体」も「絶命」も不吉な星である凶星を表しています。
苦難や困難に直面し、どうにも逃れようのない危機的な状況のことをいいます。