この記事では、「ひとまず」と「とりあえず」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ひとまず」とは?
これからのことは別にして、その時点で一区切りをつけるさまという意味です。
今のところといった意味合いになります。
たとえば、今掃除をしているところだとします。
長年ため込んだものであふれかえった部屋だったため、掃除をするのに非常に時間がかかっています。
朝から掃除をはじめて、もうそろそろお昼になります。
そろそろ昼食の時間です。
まだ掃除をしているところですが、一応の区切りをつけて昼食を食べることにしました。
このことを「ひとまずお昼にしよう」などといいます。
今度はペットの犬のことで説明をします。
飼っている犬の食欲がなく心配です。
いつもは食欲旺盛な子なので、病気ではないかと心配になります。
そこで、動物病院に連れて行って検査をしてもらいました。
検査の結果、病気ではないことがわかりました。
病気ではないとわかったので安心です。
このことは「ひとまず安心」と表現できます。
病気ではないかと心配していたことについて、一区切りをつけられています。
「ひとまず」の使い方
物事が進む中で区切りをつけるときに使用をします。
十分ではないけれど、ひととおりの物事の切れ目を指して用いるものです。
「とりあえず」とは?
「とりあえず」には2つの意味があります。
1つめは、まず第一にです。
他のことは後回しにして、まずはそれを優先するといった意味になります。
高校の受験に合格をしたら、まずは親に伝える人が多いことでしょう。
友人やお世話になった先生など、合格を伝えたい相手は他にもいるかもしれませんが、第一に親に伝えるはずです。
このことを「とりあえず親に合格を伝える」などと表現します。
もう一つの意味は、何かをする暇もなく、すぐにです。
誰かが道で倒れていたとします。
そういったときには、119番に電話をかけることでしょう。
そして、指示があれば応急処置をします。
救急隊員がやってくれば、すぐに病院に運ばれます。
これを「とりあえず応急処置をして、救急車で運ぶ」などと表現をします。
「とりあえず」の使い方
まず第一にという意味で使用をします。
他のことをさしおいて、何かの行動をするときに用います。
「ひとまず」と「とりあえず」の違い
前者は一応の区切りという意味で、後者は第一にという意味です。
似たような事柄に使用されていますが、2つの言葉の意味は異なります。
「ひとまず」の例文
・『ひとまず片付いた』
・『ひとまず押入れに入れておく』
・『捨て猫をひとまず連れて帰ることにする』
・『ひとまず筆をおくことにする』
「とりあえず」の例文
・『とりあえず出かける』
・『とりあえずお礼まで』
・『とりあえず支払いをする』
・『とりあえず説明を聞く』
まとめ
2つの言葉は似たような事柄に使用されますが、それぞれ意味は異なります。
一方は一応の区切り、もう一方はまず第一にという意味です。