新しい雪を指す言葉として「初雪」と「初冠雪」と「新雪」があります。
気象情報などでよく使われる言葉ですがいったいどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「初雪」と「初冠雪」と「新雪」の違いについて解説します。
「初雪」とは?
「初雪」とは、「夏場を過ぎてから初めて降る雪」を意味する言葉です。
「初雪」は「シーズンで初めて降る雪」を指します。
カレンダー上は1月から3月にかけての寒い時期も年内に含まれてしまいますが気象庁の定義では「10月から3月までの寒候期に初めて降る雪」を「初雪」としています。
異常気象などで7月に雪が降るようなことがあっても気象庁の定義に従うと「初雪」にはなりません。
全国各地にある気象庁の観測所でそのシーズン初めての降雪が観測されると「初雪」となります。
「初雪」は少しでも降雪が観測されると認定されるので実際にはまったく積もらないことも多く、ニュースを見て初めて「初雪」だったことを知るケースもよくあります。
「初雪」の例文
・『今日東京に初雪が降った』
・『地球温暖化の影響なのか、今年は初雪がずいぶんと遅れている』
「初冠雪」とは?
「初冠雪」とは、「山の頂上付近に初めて雪が積もること」を意味する言葉です。
山の頂上付近に雪がつもり白くなることを冠に例えて「冠雪」といいます。
「初冠雪」とはそのシーズンで初めて冠雪が確認されることを意味する言葉です。
具体的には「10月から3月までの寒候期に気象庁の気象台から初めて山頂付近に雪が積もっていることが確認されること」が「初冠雪」です。
気象庁の観測所から見て冠雪が確認できるのが条件なので山頂に雪が積もっていても遠く離れた観測所から確認できなければ「初冠雪」にはなりません。
気象庁の観測対象は気象台から見える範囲にある高い山のみですが、気象台だけではなく山岳ガイドや地方自治体などが独自に「初冠雪」の情報を提供することもあります。
「初冠雪」の例文
・『10月に入ってすぐ初冠雪が確認された』
・『初冠雪が確認されて以降、夜の冷え込みが強くなった』
「新雪」とは
「新雪」とは、「新しく降って積もった雪」を意味する言葉です。
降った雪は溶けないと地面にどんどん降り積もっていきますが「新雪」とは降り積もった雪の中でも「降り積もってから時間がたっていない柔らかい雪」を指す言葉です。
降った雪は時間がたつにつれ侍従で潰れたり外気で凍ったり踏み固められたりしてどんどん固くなっていきます。
「新雪」とはそのように固くなっておらず踏み入ると足跡がつくような空気を含んだ柔らかい状態の雪を意味します。
「新雪」の例文
・『新雪に足跡を残す』
・『当たり一面新設で覆われた銀世界』
「初雪」と「初冠雪」と「新雪」の違い
「初雪」がシーズンで初めて雪が降ることを表すのに対し「初冠雪」は山頂付近に初めて雪が積もることを指します。
山頂付近に初めて雪が降ると「初雪」ですが積もらなければ「初冠雪」にはなりません。
「新雪」は降り積もってから時間がたっていない雪を意味します。
「初雪」が地面に降り積もって間もないうちは「新雪」にあたります。
「初冠雪」は降り積もってすぐ確認されるものなのでほとんどが「新雪」です。
まとめ
雪深い地方ではなじみ深い「初雪」と「初冠雪」と「新雪」ですが雪の少ない地域に取っては違いがわかりにくい言葉です。
それぞれの言葉の意味を知り気象情報への理解を深めましょう。