「不文律」と「暗黙の了解」の違いとは?分かりやすく解釈

「不文律」と「暗黙の了解」の違い生活・教育

似たような意味で使われる言葉として「不文律」「暗黙の了解」があります。

このふたつの違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、「不文律」「暗黙の了解」の違いについて解説します。

「不文律」とは?

「不文律」とは、「明文化されていない決まりやルール」を意味する言葉です。


「不文律」の使い方

言葉や文章で明確に表すことを「明文化」といいます。

「不文律」とは「明文化されていない決まりやルール」つまり「言葉や文章で明確に表されていないが存在する決まりやルール」を指す言葉です。

法律や条例、規約などは条文などの形で明文化されています。

人々は明文化された文章を読むことでルールがどのようなものであるか、適用範囲はどこまでなのかなどを知りそれにそって行動します。

多くの決まりは人々がきちんと理解できるよう明文化されていますが、長い間人々が習慣的に伝えてきた決まりやルールの中には明文化されていないものも見られます。

例えば会社のルールは就業規則が正式なものですがそれ以外にも職場でのみ伝えられている決まりや規則に書かれていないが使われているルールも存在します。

社員旅行の費用を毎月積み立てる、毎月10日は全員参加の飲み会が開かれる、といったようなローカルルールの多くは「不文律」に当たります。

「不文律」は会社だけでなく学校や家庭、地域等さまざま場所に存在します。

法律や憲法といった強い効力を持つ決まりの中にも「不文律」に相当するものが存在します。


「暗黙の了解」とは?

「暗黙の了解」とは、「口には出していないが多くの人に承知され受け入れられていること」を意味する言葉です。

「暗黙の了解」の使い方

「暗黙の了解」「暗黙」とは「黙って静かにしている」という意味です。

口に出さず言葉にしていないことを表す言葉である「暗黙」「理解し納得している」という意味を持つ「了解」のふたつから成る言葉が「暗黙の了解」です。

「暗黙の了解」の本来の意味は「誰も口にしないが理解し納得している」つまり「明言されてはいないが皆がそうであると認めて共有されていること」を表します。

例えば「困った人を助ける」というのは皆が当たり前のことだと考えていますがそのような決まりはどこにもありません。

憲法や法律には困った人を助けるという直接的な条文はなく、明言されてはいないが皆がそうするのが当然であると考え多くの人が困った人を助けています。

このような「明言されていなくても当たり前だとされているもの」「暗黙の了解」です。

「不文律」と「暗黙の了解」の違い

「不文律」「暗黙の了解」はどちらも「はっきりと明らかにされているわけではないが共有され受け入れられている決まりやルール」を指す言葉です。

ふたつの違いは「不文律」が明文化つまり言葉や文章にされていないのを指すのに対し「暗黙の了解」は明言つまり言葉にされていないことを表します。

一般的には「不文律」のほうが決まりやルールとしての拘束力が強く「暗黙の了解」はマナーや道徳など拘束力が弱いものに対して使うという違いがあります。

まとめ

「不文律」「暗黙の了解」は非常に近しい身を持つ言葉ですが含まれるニュアンスに違いが見られます。

対象としている決まりやルールがどの程度の拘束力を持っているのかに注目して使い分けてください。