学術論文や技術論文などを執筆するときに、大変な作業の一つが「参考文献」をまとめることです。
論文の中に記述しているこのに関して参考にしたものは全て記述する必要があるので、手元にあるものだけでもかなりの数になることもあります。
このとき使われる「参考文献」ですが、「参考資料」や「引用文献」という言い方もあります。
これらはどう違うのでしょうか。
この記事では、「参考文献」と「引用文献」と「参考資料」の違いを分かりやすく説明していきます。
「参考文献」とは?
「参考文献」とは、文字通り「参考にした文献」のことです。
通常は学術論文や評論などの中に記載される文献リストとして記述され、その論文を作成するために参考にしたものを列挙します。
内容としては文献名、著者、刊行年は最低限記述されます。
最近ではインターネット上で発表されたものも同等に扱われます。
英語では「works cited」というように、文献としてはすでに発表されている著作物や同等のものを指します。
「引用文献」とは?
「引用文献」とは、文字通り「引用した文献」のことです。
論文や評論などにおいて、本文中に他の著作物等から引用する際に、どこから引用したのかを明確にするために注として記述される文献名です。
「参考資料」とは?
「参考資料」とは、文字通り「参考にした資料」のことです。
英語で「reference material」と呼ぶように、その資料は一般的な著作物だけではなく、ニュース、報告書、会報、統計なども含まれます。
通常は参考にした資料の名前、著者、発表された場所、発表された日付などをリストにします。
「参考文献」と「引用文献」と「参考資料」の違い
「参考文献」と「引用文献」と「参考資料」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は、論文などを執筆するときに使用されるものであるという部分では同じです。
しかし、対象となるものには違いがあります。
すなわち、「参考文献」は「すでに発表されている他の人の作品や著作物」で英語の「work」です。
「参考資料」は「どんなものであれ参考にしたもの」であり英語の「material」です。
そして、「引用文献」は、「文章中に引用した文献」のことです。
結果として大きな違いは「参考文献」や「参考資料」が通常は本文とは別にリストとして記述されるのに対して、「引用文献」は本文中の引用した箇所に記述され流ということです。
まとめ
この記事では、「参考文献」と「引用文献」と「参考資料」の違いを説明してきました。
学術論文を発表するに当たって記述される「参考文献」リストの重要性は、その論文の独自性や有用性、論理性などを審査する上で重要なものです。
だからといって数だけがあれば良いというものではありません。
題名を見ただけのような本をリストに加えるのは明らかな間違いです。
重要なのは、自分の論文の内容そのものであり、「参考文献」は結局参考でしかないということです。