物事を説明するときに使われる子と場に「不可逆的」と「可逆的」がありますが、どのような異身なのでしょうか。
今回は、「不可逆的」と「可逆的」の違いについて解説します。
「不可逆的」とは?
「不可逆的」とは、「いったん進んでしまったら元に戻せないこと」を意味する言葉です。
「不可逆的」の使い方
割れてしまった皿は修理することは出来ても再び元の状態に戻すことはできません。
このような「さかのぼって元通りにできないこと」を指す言葉が「不可逆的」です。
世の中には「不可逆的」なものがたくさんあります。
時の流れによる変化はその代表的なものですが一度やってしまったら元に戻せない、変化させてしまったら状態を取り戻せないものはすべて「不可逆的」に当たります。
病気で身体機能を失うと完全に元通りにはならないので「不可逆的」です。
基本的には物事の性質や状態に対して使われる言葉です。
玉子を熱湯に入れてしばらく待つとゆでたまごに変化します。
熱が卵のタンパク質に作用することで起きる変化ですが一度ゆで卵になってしまったら元通りの生卵に戻すことはできないのでこの性質変化は「不可逆的」です。
「可逆的」とは?
「可逆的」とは、「変化しても元通りに戻せること」を意味する言葉です。
「可逆的」の使い方
性質や状態がいったん変化しても特定の方法や決められた手順により元の状態に戻せることを「可逆的」といいます。
「さかのぼって元通りになる」のが「可逆的」であり失敗してもやり直せたりいったん変化させたものを元に戻して再利用できたりするものを指します。
水を冷やすと固まって氷になりますがいったん氷に変化しても熱を加える事で再び水に戻ります。
このような「元に戻せること」を「可逆的」と表現します。
はめ込んだ部品を外したり束ねた髪をほどいたりなど物品に対しても「可逆的」という表現が使われます。
「可逆的」なものは失敗したり間違えたりしてもやり直すことができるのでチャレンジに対するリスクは低いのが特徴です。
「不可逆的」と「可逆的」の違い
「不可逆的」と「可逆的」の違いは「元通りに戻せるか」です。
変化や変質が固定化されてしまい元通りに戻せないのが「不可逆的」、変化や変質が固定されておらず特定の方法で元通りに戻せるのが「可逆的」という違いで区別される言葉です。
一般的には科学的な性質変化に対して使われる表現ですが人の行動や社会情勢などに対して比喩的に使われることもあります。
社会的な物事に対して用いる場合どの程度をもって「不可逆的」と「可逆的」を判断するかはケースによって異なります。
後から無罪であることがわかり有罪判決を取り消す行為は罪の取り消しという点だけで見れば「可逆的」ですが刑務所に入っていた時間は本当の意味で元通りにはできないのでその観点からすると「不可逆的」です。
「不可逆的」の例文
・『タンパク質の熱変性は不可逆的な変化である』
・『変化は不可逆的なので失敗は許されない』
「可逆的」の例文
・『自由に組み合わせられるブロックパズルは可逆的な玩具である』
・『可逆的であるのなら失敗を恐れずチャレンジすべきだ』
まとめ
「不可逆的」と「可逆的」はやや難しい言い回しですがビジネスの世界などではよく使われる言葉です。
取り違えやすい表現なので言葉の意味を正確に理解しておきましょう。