「構築」と「開発」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「構築」と「開発」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「構築」「開発」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「構築」と「開発」の違い

「構築」とは、土砂などを積み上げて作ること。

体制や構造、地位、財産などをしっかりと作ること。

組み立てることそのもの。

構造そのものを意味する言葉です。

「開発」とは、土地や水源、鉱物、木材などの天然資源に対して人の手を入れて、農業や炭鉱、住宅などを造成して、地域の産業や交通を整えること。

新しい商品や製品、生産物などを実際に役立てて使えるようにすること。

知識や能力などを指導して活用できる状態にすることを意味する言葉です。

「構築」は、何かを組み立てて築きあげるという意味があるのに対し、「開発」は、新しく活用できるようにすることという意味の違いがあります。


「構築」と「開発」の使い方の違い

「構築」は、何かを築きあげるという意味があるので、元となるような何かが存在していなければなりません。

この何かは、宅地などの造成を例にあげると、土地、木材、水源などの自然物や、コンクリート、プラスチックなどの人工物を含めた部品ということになります。

組織の体制や構造の場合には、人が中心になって、それぞれの人がどのような役割を持つか、どこに存在するという設計図がつくられること、実際に組み立てて築きあげることに対して使われることになります。

財産の場合には、金銭、車、住宅、家具、商品などが組み合わされて構成されることになります。

人との関係では、人を前提として、その関係性を「構築」するという使われ方があります。

このように、「構築」は、材料などの部品や人材などが存在していることを前提として使われる言葉になります。

「開発」は、新しく活用できるようにするという意味があるので、既存の自然物などを新しく作り変えること、ものごとを新しくつくりだすこと、新たな能力を活用できるようにすることに対して使われる言葉になります。

それぞれの例をあげると、産業開発、商品開発、能力開発となります。

「開発」「構築」の関係性を考えると、一つ目の産業開発では、自然物に対して初めに大きな「開発」が行われて、住宅や道路、農業、工場などが「構築」されるという構造になります。

二つ目の商品開発では、知恵や能力などを活用して、新しいものを考え出して実用化できるようにすることをさし、その後に工場で商品が「構築」されて、販売されることになります。

三つ目の能力開発に関しては、組織の目標を達成する為に、各自が持っている能力を発見することなので、「構築」とは全く関係がないことに注意が必要です。

「構築」は、材料などの部品や人材などが存在していることを前提として使われるのに対し、「開発」は、新規性があるものに対して使われるという違いがあります。


「構築」と「開発」の英語表記の違い

「構築」は、英語表記で、“build”“formulation”“cultivation”“construct”“structure”などが考えられます。

“build”は、建てる、築く、造るなどの意味があり、家やダム、道路などのように比較的大きいものや、機械や事業のように複雑なものに使われる構築です。

“formulation”は、公式化、構築、定式化、薬の製法、薬の設計などの意味があり、システムや薬剤、政府などの政策などに使われる構築です、 “cultivation”は、(人間関係の)構築、(土地の)耕作などの意味があります。

“construct”は、(部品を使って)組み立てる、建造する、(システムなどを)構築するなどの意味があります。

“structure”は、構造、骨組み、組織、体制、建築物、などの意味があり、構築物そのものをさす場合に使われます。

「開発」は、英語表記で“development”“exploitation”“create”“exploit”“ pioneer”などが考えられます。

“development”は、発達、発展、開発、開拓などの意味があります。

“exploitation”は、(営利目的で土地、資源の)開発、搾取、利己的利用などの意味があります。

“create”は、(全く新しいもの、製品、商品などを)開発する、作り出すなどの意味があります。

“exploit”は、偉業、手柄、功績、(資源などを)開発するなどの意味があります。

“pioneer”は、先駆者、開拓者、(先駆けて~を)開発するなどの意味があります。

「構築」「開発」を使った例文

・『人間関係を構築する』
・『対中国包囲網を構築する』
・『戦略を構築する』
・『住みやすい環境を構築する』
・『ワクチン開発を目指す』
・『産業を開発する』
・『画像は開発中のもので、実際の使用とは異なる場合がございます』
・『能力を開発する』

「構築」の類語

類語には、建築、組み立て、工作、設立があります。

建築は、建物や橋を建てることです。

組み立ては、組み立てること、組み立てたものの構造のことです。

工作は、材料をもとにものを創ることです。

設立は、組織、施設、制度などを新しく作ることです。

「構築」の対義語

対義語は、解体、撤去があります。

解体は、ばらばらにすることです。

撤去は、建物や設備などをとりさることです。

「開発」の類語

類語には、発展、発達があります。

発展は、勢いや力がのびて広がることです。

発達は、成長して以前よりも完全な形態や機能をもつことです。

「開発」の対義語

対義語には、未開があります 未開は、文化や文明がまだ十分に発達していないこと、開拓されていないことです。

まとめ

「構築」「開発」について説明しました。

「構築」は、何かを組み立てて築きあげるという意味があるのに対し、「開発」は、新しく活用できるようにすることという意味の違いがあります。

「構築」は、材料などの部品や人材などが存在していることを前提として使われるのに対し、「開発」は、新規性があるものに対して使われるという違いがあります。