「貴下」と「貴殿」の違いとは?分かりやすく解釈

「貴下」と「貴殿」の違いとは?違い

今では、ビジネス上でも手紙を書くような機会はほとんどありませんが、唯一残っているのは正式のお礼状や公式の文書を作成する場合です。

その時に気を付けなければならないのが相手の呼び方です。

この記事では、「貴下」「貴殿」の違いを分かりやすく説明していきます。

「貴下」とは?

「貴下」とは、主に文語表現のなかで使用される、尊敬の意味をともなった相手の呼称であり、通常は男性が自分と同等か目下の男性に対して用います。

その意味では、文章の用途にもよりますが、使用できる場面は非常に限られているとも言えます。

英語では2人称はすべて「you」なので、このような表現はありませんが、イギリスの貴族などに対しては、「duke」「baron」など、それぞれの立場に応じた敬称は存在します。


「貴殿」とは?

「貴殿」とは、おもに文語表現のなかで使用される、尊敬の意味をともなった相手の呼称であり、通常は男性が自分より目上の男性に対して用います。

「殿」という文字には「りっぱなもの」というニュアンスがあるので、「貴殿」で、「ごりっぱなあなた」という意味になります。


「貴下」と「貴殿」の違い

「貴下」「貴殿」の違いを、分かりやすく解説します。

この2つは、主に手紙などのなかで使用される相手に対する尊敬表現のうちのひとつなのですが、使用法には明確な違いがあります。

「貴下」を使う相手は自分と同等か自分よりも目下のひとに限られ、「貴殿」を使う相手は自分よりも目上の人になります。

これ自体が尊敬表現なので、「貴下」「目下のひと」といっても、最大限の敬意を表していることには間違いはありません。

ただ、相手のほうに自分が目上であるとの認識がある場合に使用すると失礼に当たります。

あえて「貴下」「貴殿」を使用せずに相手の名前に様や肩書をつけて呼ぶことによって、そのような失礼な状況を回避することができます。

まとめ

この記事では、「貴下」「貴殿」の違いに関して説明してきました。

このような、文語での尊敬表現はその正しい使用法も含めて、今後は若い世代に引き継がれるチャンスはどんどん無くなっていくでしょう。

しかし、あえて、このような尊敬表現を考えることが、「敬うとは何か」を考えるチャンスになることもあります。

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