「脈々と」と「悠然と」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「脈々と」と「悠然と」の違い生活・教育

この記事では、「脈々と」「悠然と」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

どちらもあまり話し言葉としては使う機会のない「脈脈と」「悠然と」ですが、小説などを読むと、たびたび出てくる言葉です。

「脈脈と」「悠然と」にはどのような違いや意味があり、どのような使い方があるのでしょうか。

脈々とと悠然との違い

「脈々と」「悠然と」の違いは、その意味を知れば一目瞭然です。

「脈々と」「途切れることがなく長く続いていくさま」で、「悠然と」「物事に動じることなく落ち着いているさま」です。


脈々とと悠然との使い方の違い

「脈々と」「悠然と」の使い方の違いは、「脈々と」は主に「前のものから今のものに受け継がれる」ということを表すのに対して、「悠然と」「人やものの様子」を表す時に使われます。


脈々とと悠然との英語表記の違い

「悠然と」は、くつろいでという意味の「at ease」、悠長にという意味の「leisurely」、落ち着いての意味の「calmly」などが、日本語の意味合いに近い英語表記になります。

脈々との意味

「脈々と」の意味は、「途切れることなく長く続いてさま」また「継続して力強く活動を続けているさま」です。

音読みで「みゃくみゃくと」と読み、「脈脈」と表記される場合もあります。

脈々との使い方

「脈」という文字一つで「ひと続きになっている」という意味合いがあります。

そのため「脈脈と」の使い方は、より長く続いていくさまを強く表したい時に、「脈」を重ねることで協調することができます。

脈々とを使った例文

・『この地域には脈々と受け継がれてきた伝統文化がある』

・『苦労の多い人生だったが、それが仕事をする上で脈々と生きている』

・『山の裏には脈々と流れる川がある』

・『植物は、たとえ枯れてしまったとしても、土の中に脈々と次の命を伝えている』

・『わたしの身体にも、代々伝わる力が脈々と受け継がれていたようだ』

脈々との類語

「脈脈と」の類語は、「延々と」「長々と」「続々と」「連綿と」「縷々と」があります。

全て「長く続いていくさま」を表しています。

「延々と」の意味は「非常に長く続いていくさま」「長々と」の意味は「物事が空間において長くつづいているさま」「続々と」の意味は「絶え間なく続いていくさま」「連綿と」の意味は「長く続いていて絶えないさま」「縷々と」の意味は「細く長く途切れることのなく続いていくさま」です。

何を一番強調したいかによって、使い分ける必要があります。

「脈々」「延々」「長々」「続々」「縷々」の使い分けは?

「脈々」には「長く続いているさま」という意味がありますが、「延々」「長々」「続々」「縷々」も同じ意味を含む言葉です。

これらを使い分けるには、「どのように長く続いている」のかを表すかにより違います。

「延々」の意味は「非常に長く続いていくさま」なので、続いていることが良い意味ではない場合に使われることが多いです。

「長々」の意味は「物事が空間において長くつづいているさま」ですが、こちらも「長々と失礼しました」など「続々と」の意味は「絶え間なく続いていくさま」「連綿と」の意味は「長く続いていて絶えないさま」「縷々と」の意味は「細く長く途切れることのなく続いていくさま」です。

何を一番強調したいかによって、使い分ける必要があります。

悠然との意味

「悠然と」の意味は、「物事に動じることなく、ゆったりと落ち着ているさま」です。

「悠然と」「ゆうぜんと」と読みます。

悠然との使い方

「悠然と」の使い方は、何が起きても落ち着いている様子の人を現すようすです。

そのため、自分自身の状態については使いません。

自分自身について使うのであれば、「悠々と」「気長に」などが最適となります。

また「物事に動じることなく」というのが前提となるので、文章で使う場合は「〇〇〇なのにも関わらず」「〇〇〇が起こったのに」という前置きが発生することが多いです。

悠然とを使った例文

・『人が近づいても、野良猫は走り去ることはなく悠然と立ち去っていった』

・『災害が起きても、その山は悠然と構えていた』

・『大病を告知されても、祖父は悠然とした態度を崩さなかった』

・『試験の当日も焦らず悠然としていれば大丈夫だ』

・『大きな水槽の中で、メダカが悠然と泳いでいる』

悠然との類語

「悠然と」の類語は、「悠悠と」「悠長な」「おもむろに」「徐に」「落ち着き払って」です。

「悠悠と」「悠長な」は基本同じ意味になります。

「おもむろに」の意味は「落ち着いて物事を始めるさま」「徐に」「おもむろに」を感じで表したものです。

「おもむろに」は、「不意に」という意味合いで使う人も多いですが、実は「悠然と」と似た意味で使う言葉です。

「悠然」「悠悠」「悠長」の使い分けは?

「悠然」には、同じ「落ち着いているさま」という意味をもつ「悠悠」「悠長」という言葉があります。

「悠然」「悠悠」「悠長」を使い分けるには、「どう落ち着いているか」の違いになります。

「悠然」「物事に応じずに落ち着いてるさま」ですが、「悠悠」「十分にゆったりと時間を持って落ち着いているさま」「悠長」「慌てずのんびりとして落ち着いているさま」です。

「悠長」に関しては、悪い意味をもつ場合に使われることが多いので、注意したい言葉です。

まとめ

普段あまり使うことのない「脈々と」「悠然と」ですが、以上のような違いや意味を理解していれば、使い方がわかるでしょう。

「脈々と」「悠然と」を使うだけで文章の雰囲気が変わりますので、是非積極的に使用してみてください。