「悩ましい」と「悩む」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「悩ましい」と「悩む」の違い生活・教育

この記事では、「悩ましい」「悩む」の違いを分かりやすく説明していきます。

「悩ましい」と「悩む」の違い

「悩ましい」「悩む」の違いについて紹介します。


「悩ましい」と「悩む」の使い方の違い

「悩ましい」は、「判断に迷って苦しむこと」「官能的で心が乱れる様子」に使われます。

どうして良いか考えて苦しむことの他に、性的な刺激により迷う様子も表します。

「悩む」「問題の解決方法が分からずに苦しむこと」に使われます。

どうして良いか分からず、自分の中でいつまでも考えて苦しむ様子を表します。


「悩ましい」と「悩む」の英語表記の違い

「悩ましい」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「hard to decide」という意味で「判断が難しい」=「悩ましい」というニュアンスです。

“It is hard for me to decide whether do or not.”
(やるかやらないか非常に悩ましい)
2つ目は「tempting」で、「魅惑的」「うっとりさせる」=「悩ましい」というニュアンスです。

“She looked at me with her tempting eyes.”
(彼女は悩ましい目で私を見た)
「悩む」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「worry」で、「心配する」「悩む」という意味です。

“He was worried to find his mistake.”
(彼は自分のミスを見つけて悩んだ)
2つ目は「agonize」で、「非常に苦しむ」「苦悩する」「悩む」という意味です。

“She agonized to break up with her boyfriend.”
(彼女は恋人と別れることで酷く悩んだ)

「悩ましい」の意味

「悩ましい」「なやましい」と読み、以下の3つの意味があります。

1つ目は「解決するのが困難なことがあり、苦しいと感じること」という意味で、どうして良いか分からずに辛い思いをすることを言います。

2つ目は「官能が刺激されて、心が乱れる状態」という意味で、性的な刺激によりドキドキすることを言います。

3つ目は「病気などで気分が悪いこと」という意味ですが、日常こちらの意味で使われることはまずありません。

「悩ましい」は、動詞「悩む」を形容詞化した言葉で、「しい」「その様な気持ちになる」という意味で、感情をメインにした言葉です。

「悩ましい」の使い方

「悩ましい」は、「困難な問題に当たって苦しいと思うこと」「官能的に刺激されて平静を保てない状態」に使われます。

形容詞として文末に使われたり、「悩ましげな〇〇」と名詞を修飾して使われたり、「悩ましさ」と名詞として使われたりします。

「悩ましい」は、「解決が困難で苦しい様子」という意味の他に、「官能が刺激される」という意味も持っているので、日常て使う時には注意が必要です。

「悩ましい」を使った例文

・『時間だけが過ぎて行き、ひたすら悩ましい日々を送るだけだった』
・『どちらを選べばいいのか分からず非常に悩ましく思っている』
・『あちらを立てればこちらが立たずという悩ましい状態だ』
・『彼女は非常に悩ましいポーズで僕に迫ってきた』
・『夕べの彼女の悩ましい姿が脳裏に焼き付いて離れない』

「悩ましい」の類語

「悶々とする(もんもんとする)」
「心の中で非常に思い苦しむこと」「性的欲求不満などで苦しむこと」という意味です。

「彼は1週間その問題を考えて悶々としていた」などと使われます。

「妖艶な(ようえんな)」
「あやしいほどになまめかしく美しいこと」という意味です。

「〇〇社の受付には妖艶な美女がいる」などと使われます。

「悩ましい」の対義語

「爽快(そうかい)」
「スッキリさわやかで気持ちのよい様子」という意味です。

「問題が全て片付いて爽快な気分だ」などと使われます。

「悩む」の意味

「悩む」「なやむ」と読み、以下の5つの意味があります。

1つ目は「判断できなかったり、解決方法が分からずに思い煩うこと」という意味で、トラブルを抱えて心を痛めることを言います。

2つ目は「対応や処理が難しくて困ること」という意味で、問題が生じている状態を言います。

3つ目は「病気になり症状が出ること」という意味で、ある症状が出て辛い状態を言います。

4つ目は「あれこれ非難する」というう意味ですが、日常こちらの意味で使われることはありません。

5つ目は動詞の連用形に付き、「ある動作がうまく進まない様子」に使われ、「思い悩む」「伸び悩む」などがあります。

「悩む」は、答えが出ずに苦しむことで、官能的な意味はありません。

の使い方

「悩む」は、「悩みや問題があって思い苦しむこと」に使われます。

「悩む・悩んだ」「悩まされる・悩まされた」と使われたり、「悩んで」と副詞として使われたり、「悩み」と名詞として使われたりします。

「悩む」は、解決方法が見つからずにあれこれ考えて苦しむ動作を表す言葉です。

「悩む」を使った例文

・『都会の企業に就職するか、地元の企業に就職するかで悩んだ』
・『彼は彼女に告白するべきかどうか悩んでいる』
・『近隣住民とのトラブルが大きくなり悩んでいる』
・『地元産業が後継者不足に悩んでいる』
・『長い間持病のパニック障害に悩んでいる』

「悩む」の類語

「苛まれる(さいなまれる)」
「苦しめられること」「厳しく咎められること」という意味です。

「嘘をついたことで良心の呵責に苛まれている」などと使われます。

「気苦労(きぐろう)」
「あれこれと気を使って精神的に疲れること」という意味です。

「親はいつでも子供のことに関して気苦労が絶えないものだ」などと使われます。

「悩む」の対義語

「悟る(さとる)」「ものごとの真の意味を理解すること」「秘められていたことに勘付く」「自分の運命や存在意義について気付く」「仏教用語で、迷いや煩悩を取り払い、永遠の真理を会得すること」という意味です。

「彼女は自分の努力の限界を悟った」などと使われます。

まとめ

今回は「悩ましい」「悩む」について紹介しました。

「悩ましい」「あれこれ考えて苦しい感情」「官能的に刺激を受ける」「悩む」「あれこれ考えて苦しむ」と覚えておきましょう。