この記事では、「答案」と「解答」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「答案」と「解答」の違い
「答案」とは、出された問題から導き出されたものを文字や記号で示すこと、またそれがしるされているもののことです。
「解答」とは、問題に対して何かを導き出すこと、またその導きだされたものです。
どちらも問題に対して導きだされたものですが、まったく同じことを指す言葉なのではありません。
「解答」は、出された問題への答えです。
答える方法は、口でいうものか、紙に書くものかなどは意味に含まれていません。
「答案」は、出された問題を解いて文字や記号で示したものです。
口で言うことではなく、答えは紙に書きます。
また、書いてある紙のことも指します。
紙に書くと限定をしている点が違います。
高校の中間テストのことで考えてみます。
定期試験では、国語や数学などの問題が出され、生徒はそれに答えます。
答えは文字や記号で示されます。
答えを文字や記号で記しているので「答案」です。
また、答えを出すことなので、もう一つの言葉でもいうということもできます。
口述試験の場合は、答えを紙に書くのではなく、口で言います。
この場合は「答案」ということはできず、猛威一方の言葉になります。
「答案」と「解答」の使い方の違い
問題を解いて紙に書いた導きだされたもの、またそれが示されているものについて「答案」を使用します。
問題を解いて導きだされたものについて「解答」を使用します。
「答案」は紙に書いた答えにしか使うことができませんが、「解答」は文字や記号で記したものにも、口でいったものにも使用することができます。
「答案」と「解答」の英語表記の違い
「答案」は英語で、答えの意味では“answer”と表現をし、答えを書いた紙の意味では“examination paper”や“answer sheet”と表現をします。
「解答」は英語で“answer”や“solution”と表現をします。
「答案」の意味
「答案」とは、問題を解いて文字や記号で示した導きだされたもの、また書いてある紙のことです。
問題に答える方法には、文字や記号でしるす、口でいうなどがありますが、高校の中間テストや期末テストでは、問題の答えを紙に書く方法が採用されていることが一般的です。
問題用紙と答えを書く紙が配られ、テスト開始時間になったら問題を解きます。
問題用紙と答えを書く紙は、別々になっています。
答えは問題用紙ではなく、答えを書くために与えられた紙に書かなければなりません。
ここに書いた答えや、そのがしるされたものが「答案」です。
高校入学のための試験では、紙に答えを書くテストとは別に面接が行われます。
面接は試験官が出した問いに対して、口で答えることが一般的です。
こういった口で答えることについての意味は持っていない言葉です。
また、正しい答えが存在しないものについてもいわない言葉です。
小中学校の夏休みの宿題に、読書感想文があります。
読書感想文は紙に書くものです。
宿題=答えを出せるものと考えがちですが、読書感想文は感想であり、問題への答えではありません。
紙に書いてあるものでも、こういったことを指している言葉なのではないです。
「答案」の使い方
問題があって、それについて答えて、文字や記号で記したものを指して使用をします。
また、それが示されているものについてもいいます。
問題の答えを紙に書く場面は、主にテストです。
小学校、中学校、高校、大学などではテストが定期的に行われ、導きだされたものを文字や記号でしるす書くことがあります。
学校を卒業してからは、入社試験で問題を解かされ、導きだしたものを文字や記号でしるすことがあります。
資格取得のための試験への答えも、文字や記号でしるします。
主にテストをする場面で使われる言葉です。
「答案」を使った例文
・『鉛筆を使って答案をしてください』
・『答案用紙へのマークは、枠をはみ出さないようにしてください』
・『返却された答案用紙を見てびっくりした』
・『答案をすることができなかった』
・『答案は30分以内に行ってください』
「答案」の類語
「解答」が類語です。
「答案」の対義語
適切なものはありません。
「解答」の意味
「解答」とは、問題を解いて答えを出すことです。
答えを口に出す、紙に書くなどの意味は含まれていません。
高校の中間テストや期末テストでは、国語や数学などの問題が出され、生徒たちはこれに答えていきます。
このような作業が「解答」です。
テスト以外にも、答えを出す場面があります。
たとえば、クイズ番組です。
クイズ番組では、さまざまなジャンルの問題が出され、芸能人などが問題に答えていきます。
答え方は、ボードに書いたり、口で言ったりする方法です。
こういった、出された問題に対して導きだされたものを意味しています。
映画の制作発表会などの後に、テレビ局や雑誌記者などが、出演者に対して質問することがあります。
それに対して、出演者が答えを出します。
このとき、口で答えをいうことが一般的です。
これも、答えを出していることですが、「解答」ではなく「回答」といいます。
同じ読みですが漢字が違います。
質問には正しい答えはありませんが、問題には正しい答えがあります。
たとえば、1+1=2など答えは1つだけ決まっています。
このような問題に対して導きだされるものを意味する言葉です。
「解答」の使い方
問題があって、それを解いて、導きだされたものについて使用をします。
どのような方法で示すかについては、意味に含まれていません。
紙に書いても、口にだしても、導きだされたものについて使用可能です。
質問への答えについては、この漢字のこの言葉は使用しません。
「解答」を使った例文
・『解答に使える時間は10分です』
・『解答に時間がかかってしまった』
・『解答のページを見る』
・『解答とともに解説がのっている問題集』
・『問題を解く前に解答を見ないようにしてください』
「解答」の類語
「答案」が類語です。
「解答」の対義語
対義語はありません。
まとめ
答えを出すという意味を持つ2つの言葉ですが、「答案」は文字や記号で示したものに限定をしています。
その点が大きな違いです。
使われる場面は、2つの言葉は似ています。