「不幸」と「不孝」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「不幸」と「不孝」の違い生活・教育

この記事では、「不幸」「不孝」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「不幸」と「不孝」の違い

「不幸」「不孝」は、「ふこう」の読みが同じで意味が異なる同音異義語です。

「不幸」とは、「幸せを感じることができていない状態」を意味しています。

「不孝」には「幸福ではないさま・心理」といった意味合いはまったくありません。

「不孝」の言葉は「親に対して孝行ではない」という、「不幸」とは完全に異なる意味を持っているのです。

「不孝」には「不幸」と違って、「親に対して感謝の気持ちを持たず、親を大切にしないこと」といった意味合いがあります。


「不幸」と「不孝」の使い方の違い

「不幸」の言葉は、「幸せではないこと」を意味して使います。

それに対して「不孝」という言葉は、「親を大事にすることなく、親を悲しませるような振る舞いをすること」を意味して使うことができます。

また「不孝」「親不孝」という典型的な使い方でよく使われますが、「親不幸」という言葉は造語以外では存在しないという違いがあります。

例えば、「あの頃は失業してお金も友達も失って不幸でした」という文章の「不幸」「不孝」に書き換えることはできないといった違いを指摘できます。


「不幸」と「不孝」の英語表記の違い

「不幸」を、英語を用いて表記すると以下になります。

“unhappiness”……幸せ・幸福ではないさま。不幸。

“misfortune”……運がないこと。不運であるさま。不幸。「不孝」を、英語を使って表現すると以下になります。

“disobedience”……上位者に対して服従しないこと。反抗するさま。親不孝・不孝。

“unfilial behavior”……親に対して子供としてふさわしくない振る舞い。親不孝・不孝。

「不幸」の意味

「不幸(ふこう)」とは、「幸福ではない心理や状況」を意味しています。

「不幸」というのは、「幸福感がなくて心理的に苦しかったりみじめだったりするさま」を示している言葉なのです。

「不幸」の使い方

「不幸」は、「幸せではない心理・環境・状態」を指して使うことができる言葉です。

「不幸」という表現は、「心が満足していなくて幸福を感じられないさま」を意味して使われます。

例えば、「不幸なのか幸福なのかは主観的なあなたの心理が決めるのです」などの文章で使用できます。

「不幸」を使った例文

・『人からいくらお前は不幸だと思われようとも、私自身が幸せを実感できていればそれで十分なのです。』

・『不幸になる人の多くは、経済的な貧困あるいは対人的な孤独の要因が関係しています。』

・『子供の頃は不幸な時期もありましたが、親元を離れてからは楽しい日も増えてきました。』

・『世界には不幸な現実に苦しむ大勢の人々がいますが、その不幸の具体的内容は千差万別なのです。』

・『不幸な境遇をどうすれば変えられるのかを主体的に考える必要があります。』

「不幸」の類語

「不幸」の類語には、以下の言葉があります。

・『不運(ふうん)』……良い運がないこと。運が悪くて不幸なさま。

・『不遇(ふぐう)』……不運でめぐり合わせが悪いこと。不運で本来の実力にふさわしい扱いをしてもらえないこと。

・『不満(ふまん)』……心が満たされていなくて幸せではないさま。

「不幸」の対義語

「不幸」の対義語には、以下の言葉があります。

・『幸福(こうふく)』……好ましい出来事・環境があり、心が満たされていて幸せであること。

「不孝」の意味

「不孝(ふこう)」とは、「親に対して孝行ではないこと」を意味しています。

「不孝」という言葉は、「育ててもらった親のことを敬わず忠誠心を持たないこと」を示唆しているのです。

具体的な「不孝」の意味として、「親に感謝することなく、親を喜ばせたり親を助けたりするような行動をしないこと」があります。

さらに「不孝」には、「犯罪をしたり他者に迷惑をかけたりして、親を悲しませたり悩ませたりすること・そういった親を悲しませる子」の意味のニュアンスもあるのです。

「不孝」の使い方

「不孝」の言葉は、「自分を小さな頃から育ててくれた親に感謝せず、親を悲しませるような振る舞いをすること」を意味して使います。

「不孝」は、特に「親不孝(おやふこう)」という言い方で使われることが多くなっています。

例えば、「親不孝ばかりしていた若い頃を思い出すと情けない気分になります」といった文章で使用することができます。

「不孝」を使った例文

・『儒教の道徳規範では、親に忠義や孝行を尽くさない不孝は人として大きな過ちだとされてきました。』

・『親不孝な人生のままで終わってはいけないと思えたのは、やはり自分の子供を持ってからでした。』

・『高校生くらいまで地域の不良と喧嘩ばかりしていて、親にはずいぶん不孝をしました。』

・『私の逮捕された姿を見て泣いていた母親の姿を見て、私は親不孝な生き方をやめる決意をしました。』

・『不孝をするつもりがなくても毎日が忙しいと、ついつい親に電話もしない日が続いてしまいます。』

「不孝」の類語

「不孝」の類語には、以下の言葉があります。

・『親不孝(おやふこう)』……親を大事にすることなく、かえって親を悲しませるような行動・発言をすることやそういった親孝行をしない子。

・『不忠(ふちゅう)』……主君・親などに、忠誠心を示さなかったり裏切ったりすること。

・『不道徳(ふどうとく)』……人として従うべき道徳規範に背いていること。

・『不信心(ふしんじん)』……倫理感・宗教心などの何かを信じる心がないこと。信仰や道徳の心の基盤を持たないさま。

「不孝」の対義語

「不孝」の対義語は、以下になります。

・『孝行(こうこう)』……親に感謝の気持ちを持って、親を喜ばせ親のために尽くすような振る舞いをすること。

・『親孝行(おやこうこう)』……親に対して孝行すること。親を大事にして親のために自己犠牲を惜しまず尽くすさま。

まとめ

「不幸」「不孝」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「不幸」「不孝」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しくリサーチしたい時は、この記事で書いた内容をチェックしてみてください。