この記事では、「寵愛」と「溺愛」の違いを分かりやすく説明していきます。
愛にまつわる言葉を学びましょう。
「寵愛」とは?
寵愛(ちょうあい)とは、とても可愛がること。
高貴な立場の方が、下の者を大切にすることをいいます。
権力のある人がある人に惚れこんで、えこひいきするのが寵愛です。
もともと寵愛の「寵」には「情けをかける」という訳があります。
将軍や君主がお気に入りの女性をかくまって、いい生活を送らせることを寵愛と呼んでいました。
そのためお気に入りの侍女を寵姫(ちょうき)、可愛がっている子どもを寵児(ちょうじ)といいます。
社会的に地位のある人が、自分のお気に入りに愛を注ぐことが寵愛です。
「溺愛」とは?
溺愛(できあい)とは、周りが見えなくなるくらい夢中になること。
猫を可愛がるように、甘やかすことです。
自分の欲望のままに、大事にすること。
やり過ぎと思えるくらい、愛情を注ぐことが溺愛になります。
もともと溺愛は「愛におぼれる」とあらわします。
「溺」には「深みにはまって抜けだせない」という訳もあるため、心を奪われて盲目に愛していく様子を溺愛といいます。
過保護な親が、子どもをチヤホヤするときも使います。
欲しい物を買ってやり??るべきときに叱らない、良くない育て方をさします。
「寵愛」と「溺愛」の違い
どちらも似ています。
「寵愛」と「溺愛」の違いを、分かりやすく解説します。
・帝の「寵愛」親の「溺愛」
両方とも「首ったけになること」をあらわします。
他の人と比べものにならないくらい、当別扱いすることが「寵愛」と「溺愛」です。
寵愛は帝や武将など、位の高い人が低い人を愛するときに使います。
帝の寵愛というと、国の統治者の愛を一心に受けていることをあらわします。
そして溺愛は、まるでペットのように盲目に可愛がること。
その人だけしか目に入らなくなり、やりすぎと思えるくらいお金を費やすことをいいます。
目の中に入れても痛くないくらい大切にすること、かいがいしくお世話を焼くことが溺愛です。
現代は寵愛というと、ドラマや映画の中でつかいます。
やんごとなき立場の人が、自分のお気に入りの女性をおめかけさんとして囲うことをあらわします。
そして溺愛は男性が愛おしいガーフレンドに並々ならぬ愛を注ぐとき、親ばかな両親が自分の子どもをとても大切に可愛がるときに使います。
寵愛は神聖でドラマティックな響きですが、溺愛は「我を忘れて、その人にのめり込む」というネガティブな意味もあります。
恋慕や愛慕などのロマンティックな表現もあるので、同時に覚えておくといいです。
まとめ
「寵愛」と「溺愛」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらもお気に入りを大切にすることです。
寵愛は帝や将軍など、高貴な人が妃を愛すること。
そして溺愛は親が子どもを、ボーイフレンドがガールフレンドを愛するときに用います。
色々な愛のかたちを学んでみてください。