この記事では、「陳情」と「消滅時効」の違いを分かりやすく説明していきます。
「陳情」とは?
陳情とは、ちんじょうという読み方をする言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事でしょうが、申し述べるや平らに並べる等の意味の陳の文字に、物事の実際の有様とか気持ち、思いやりといった意味がある情の文字を加える事で完成した言葉となっています。
以上の事から陳情は、目上の相手に心情や実情を述べる事を表すのです。
「陳情」の言葉の使い方
陳情は主に、公的機関や政治家等に実情を訴えて善処してくれる様に要請する事に対して使われる言葉となっています。
市民等の陳情を行う側は、陳情する、という形式で表現される事が多いです。
一方の政治家や公的機関等の陳情される側は、陳情を聞くや陳情を受けるといった形でこの言葉を使用しています。
更に陳情の内容を書面にしたものは、陳情書と呼ばれているのです。
「消滅時効」とは?
消滅時効は、しょうめつじこうという読み方をすべき言葉となっています。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事ですが、消えて跡形もなくなくなってしまうという意味を持つ消滅の漢字に、ある一定の事実状態が長期に継続した場合に真実の法的関係に合致するかに関わらず権利の取得や消滅を認めるといった意味を有する時効の漢字を付け足す事で成立した言葉です。
だからこそ消滅時効は、権利を行使しない期間がある一定期間継続した場合、その権利を消滅させてしまう制度を示します。
「消滅時効」の言葉の使い方
消滅時効は、一定期間行使されない権利を消滅させるという制度に対して用いられる言葉です。
例えば借金の請求が一定期間行われず、その期間返済自体も行われていない場合には、借金を返済する義務が消滅する事もあります。
損害賠償請求権や賃金債権等に関しても、同じ様にこの消滅時効が適用されるのです。
「陳情」と「消滅時効」の違い
陳情と消滅時効の文字表記を見比べてみれば、使用されている漢字が全然違うだけでなく、文字数からして違う事が分かります。
しかも表す意味合いも特に似ているという程ではないので、それぞれの言葉が持つ意味を理解しておけば、使い分けの際に迷う事はありません。
まず陳情は、目上の相手に対して実情とか心情を述べて善処して貰おうとする行為を表すのです。
一方の消滅時効は、ある一定期間権利を行使しない状態が続いた場合に、その権利自体が消滅してしまう制度を示します。
まとめ
2つの言葉は、使用されている漢字も全然違う上に、示す意味も特に似ている訳ではないです。
そのためそれぞれが表現する意味さえきちんと踏まえておけば、使い分けの際に誤ってしまうのを十分に回避出来ます。
ちなみに陳情は、主に地方や中央の公的機関や政治家等に、善処してくれる様に実情を訴える事に対して使用される言葉です。
対する消滅時効は、一定期間行使されない場合は権利が消滅してしまうという制度に対して用いられる言葉となっています。