とろろにして食べることの多い「長芋」と「大和芋」はどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「長芋」と「大和芋」の違いを分かりやすく説明していきます。
「長芋」とは?
「長芋」【ながいも】は、ヤマノイモ科の根菜「やまのいも」の一種です。
つる性の多年草で、土中に長く伸びた根茎を掘り起こして食用にします。
形状は細長い筒状で長さは80cmほどで、「長芋」自体は白またはクリーム色ですが、表面には淡い褐色の皮と細いひげ根があります。
「やまのいも」に共通する大きな特徴は、ぬめり成分を含み皮をむくとねばねばしているところ、他のいも類と異なり加熱せず生のまま食べられるところです。
すりおろすと粘りが強くなり、すりおろしたものは「とろろ」と呼ばれ、麦飯にかけて「麦とろ」、まぐろにのせて「やまかけ」にして食べる方法が一般的となっています。
また、お好み焼きをふんわり焼き上げるために、つなぎとして「長芋」のとろろが使われます。
「長芋」はやまもいもの中でも水分が多く、サクサクした食感とあっさりした味わいが特徴です。
アクが少ないので皮をむかずに食べることもできます。
また加熱するとぬめりは消えてホクホクした食感になり、全く違った味わいも楽しめます。
生の「長芋」は消化酵素のジアスターゼ(アミラーゼ)を含み、でんぷんの消化を助けます。
そのため食べても胃にもたれにくく、胃が弱っているときにも安心して食べられます。
主な産地は北海道、青森県などの北日本に集中しており、西日本では鳥取県でも栽培が盛んとなっています。
「大和芋」とは?
「大和芋」【やまといも】は、ヤマノイモ科の根菜「やまのいも」の一種「つくねいも」のことです。
奈良県で古くから栽培されてきた「大和野菜」の一つであるため、西日本では「大和芋」と呼ばれることが多くなっています。
「大和芋」は「長芋」の一種で「長芋」と同様に土中の根茎が肥大したものを食用とします。
形状は握りこぶしのようにごつごつして、中は淡いクリーム色ですが表面には褐色の皮があります。
ほかの「やまのいも」と同様にぬめり成分を含み、すりおろすと粘りが強くなりますが、水分は少なめで味が濃く、とろろにした時の粘りが強いという特徴があります。
食べ方はとろろにして生食をするほか、和菓子のつなぎとしてまんじゅう、かるかんの材料にも用いられています。
主な産地は奈良県の御所市、天理市などです。
「長芋」と「大和芋」の違い
「長芋」と「大和芋」の違いを、分かりやすく解説します。
「長芋」と「大和芋」はどちらもヤマノイモ科の「やまもいも」に属する根菜で、品種が異なっています。
「長芋」は細長い筒状をした根菜で、水分が多くさっぱりした味わいをしています。
「大和芋」は「長芋」の一種で、奈良県で栽培される大和野菜「つくねいも」の別の呼び方となります。
にぎりこぶしのようなごつごつした形をしていて、水分は少なく粘りが強くて濃厚な味わいが特徴です。
どちらもとろろにして食することが多く、消化酵素のジアスターゼを含むので生食すると消化を助けるといわれます。
「長芋」はお好み焼き、「大和芋」は和菓子のつなぎにも使われています。
まとめ
「長芋」と「大和芋」は「やまいも」「やまもいも」と呼ばれることもあり混同されがちですが、品種が異なっています。
改めて特徴を比べてみれば、見た目や食感などに違いのあることがわかります。