昼ごろの時間帯を指す言葉として「昼過ぎ」と「昼下がり」があります。
このふたつは具体的にどの時間を表しているのでしょうか。
今回は、「昼過ぎ」と「昼下がり」の違いについて解説します。
「昼過ぎ」とは?
「昼過ぎ」とは、「正午を過ぎた時間帯」を意味する言葉です。
「昼過ぎ」の使い方
「昼過ぎ」は気象用語として用いられている言葉です。
気象用語として使われる場合は「昼の12時頃から15時頃まで」を指します。
一般的な意味で使われる「昼過ぎ」は「正午を過ぎた時間帯」もしくは「昼休憩が終わった後の時間帯」を指す言葉です。
会社や学校では正午を過ぎると昼休憩を取る習慣がありますがそのような場合は「昼過ぎ」が「昼を過ぎて仕事や授業が再開した時間帯」という意味で使われており単純な正午過ぎとは区別されます。
日常会話として使われる「昼過ぎ」は気象用語よりもやや範囲が広く「正午を過ぎてから日没までの時間帯」という意味で使われている表現です。
本来の言葉の意味である「正午を過ぎた時間帯」だと日没後も含まれることになりますが、通常「昼過ぎ」という表現は「昼になってから暗くなるまでの間」という意味で用いられています。
受付開始時間など起点の意味で「昼過ぎ」を使う場合は「昼を過ぎた後」を表し正午を過ぎた後の時間帯すべてが含まれます。
「昼下がり」とは?
「昼下がり」とは、「昼に連なる午後の時間」を意味する言葉です。
「昼下がり」の使い方
「昼下がり」というのは文学的な表現であり日常会話ではあまり使われません。
言葉の意味としては「正午を過ぎたころの時間帯」具体的には「正午から14~15時あたりまで」を表しますがニュアンスとして「食事時間や休憩時間として過ごす昼間ののんびりした時間に連なる時間帯」という要素が含まれています。
一般的に「昼下がり」という言葉は「うららかな」「おだやかな」「あたたかな」など快適な心地よさをあらわす言葉とともに使われることが多く「過ごしやすい気持ちのよい昼のひととき」という意味合いが含まれています。
昼を過ぎた時間帯がとても忙しく仕事に追われて休む暇もないようなときに「昼下がり」という表現を使うことはなく、お茶を飲んだりおしゃべりしたり日差しに包まれて眠くなったりするような快適な昼の時間に対してのみ使われる表現です。
「昼過ぎ」と「昼下がり」の違い
「昼過ぎ」と「昼下がり」はどちらも表しているのは正午を過ぎた午後12時~15時の時間帯ですが「時間の使われ方」に違いがあります。
「昼過ぎ」が単に特定の時間帯を表すだけの言葉であるのに対し、「昼下がり」は正午を過ぎた時間帯を穏やかに過ごしていることを表します。
午後12時~15時の時間帯が「昼過ぎ」、「昼過ぎ」の中でものんびりと過ごしている時間帯のことを文学的に表現したのが「昼下がり」という違いで区別されます。
「昼過ぎ」の例文
・『今日の昼過ぎに荷物が届く予定だ』
・『昼過ぎから雨が降るらしい』
「昼下がり」の例文
・『穏やかな昼下がりが事故のせいで台無しになった』
・『うららかな昼下がりに紅茶を飲んでおしゃべりを楽しむのは何よりのぜいたくである』
まとめ
同じ時間帯を表す言葉でも「昼過ぎ」と「昼下がり」ではニュアンスが大きく違います。
指している時間帯だけで判断するのではなくその時間をどのように使いどう評価するのかまで考えてふさわしい表現を用いましょう。