世界には多くの美術館や博物館が存在します。
そこに行けば何百年前何千年前の人々に手によって作られた品々をこの目で見ることが出来ますし、オークションや骨董店に行けば歴史あるものたちを実際に手に入れることも出来ます。
骨董店、と聞くといいものだけではなく古いガラクタも取り扱っているようなイメージがありますが、アンティークショップと聞くと一気におしゃれな雰囲気になります。
古美術店なら昔の芸術品を取り扱っているようなイメージが。
このみっつの違いとはいったいなんなのでしょう。
この記事では、「骨董品」と「古美術品」と「アンティーク」の違いを分かりやすく説明していきます。
「骨董品」とは?
骨董品とは希少価値のある古い美術品や古い道具のことを広く指します。
ただ古いだけで役に立たないガラクタのことも骨董品と呼ぶことがあるので、必ずしもそこに歴史的価値の有無は関わってこないようです。
ではどのくらい古いものだと骨董品と呼べるのか。
ずばり「製造された年から百年以上が経過したもの」です。
百年が経過していれば工芸品もガラクタも定義的には骨董品と呼べるのです。
ただ日本では製造年から数十年でも骨董品と呼ぶことがあるので、国によっても定義は変わってくるようです。
「古美術品」とは?
古い時代に作られた書画や彫刻、陶磁器や調度品などの美術品などは総じて古美術品と呼ばれます。
先ほどの骨董品との違いは美的鑑賞の部分に重きを置いているというところです。
日本でいえば古い陶磁器や工芸品、茶道具などが古美術品にあたります。
ただこちらも定義はあいまいな部分があるので、古美術商のあいだではあまり骨董品と古美術品を分けて考えることは少ないようです。
「アンティーク」とは?
最後にアンティークですが、こちらはフランス語で「骨董品」という意味です。
なので骨董品と同じように製造年から百年以上経過している古いものがアンティークと呼ばれます。
似た言葉にヴィンテージというものがありますが、こちらは主に1950年代から70年代にかけて作られた品を指すことが多いのでアンティークより新しいものとなります。
こちらも定義はあいまいですが、日本では特に西洋で作られた古い家具などをアンティークと呼ぶことが多いようです。
「骨董品」と「古美術品」と「アンティーク」の違い
こうして考えてみるとみっつとも「制作された年から百年以上経過している古いもの」という共通の定義があり、品物によって指し示す言葉を変えているようです。
古い美術品や道具などは総じて骨董品と呼ばれ、その中でも美術的な鑑賞目的の部分に重点をおいているものを古美術品と呼ばれます。
アンティークは主に西洋で作られた古い家具などを言い、必ずしも芸術品として作られた品だけを指すわけではありません。
すべて「百年以上昔の品のこと」という部分は共通していますが、あえて使い分けをするならこのような感じでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
古いものだからこそ感じられる深みや味わいは過ぎ去る年月だけが生み出せる特別なものです。
もしかしたらいま私たちの手元にあるなんてことのない雑貨も、百年後にはとても価値のあるものになっているかもしれません。
逆にガラクタと呼ばれるかもしれませんが、それでも自分たちの時代の品が百年後の未来に残っているかもと思うと少し楽しみです。