人間の出会いは色々な形式がありますが、それぞれに対応した漢字が存在しており中でも「遭う」と「遇う」は意味が異なります。
この記事では、「遭う」と「遇う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遭う」とは?
「遭う」とは人や物事の出会いに対して使う言葉であり、偶然性が高い時に使います。
予期せぬ出来事や人物との出会いという意味の他にも、これらの物事があまりよくない場合に「遭う」は使われます。
「遭」という言葉を使ったものとしては「遭難」や「遭遇」があり、偶然性が高いものやハプニング性が高いものに対して使うのが特徴です。
ハプニング性が高い物事や不幸な出来事に対して「遭う」は使うことから、これらは人間同士の出会いだけではなく、自然災害や社会的な事件に対して使うことも可能です。
「遇う」とは?
「遇う」も人や物事の出会いに対して使う言葉であり、こちらも偶然性が高い時に使います。
予期せぬ出来事や人物との出会いという意味が強いのですが、こちらはその偶然性が重視されるのが特徴です。
この出会いに関しては良い場合も悪い場合も両方のパターンがあり、その分色々な場面で使うことが可能です。
「遇」を使った言葉には「奇遇」や「千載一遇」という風に偶然性やハプニング性を意味するものが多いのが特徴です。
これ以外にも「遇」を使った言葉には「待遇」、「処遇」、「優遇」など人に対する接し方やおもてなしを示すものが存在します。
「遇う」に関しては予期せぬ出会いという意味が中心となりますが、袖振り合うも他生の縁という言葉のように出会った後におもてなしをするのは日本人らしい特性が表れています。
「遭う」と「遇う」の違い
「遭う」や「遇う」はどちらも人や物事の出会いに対して使う言葉であり、人為的ではなく予期せぬ場面や出会いに対して使うのが共通しています。
どちらもハプニング性が高いことから悪い出来事に対して使うことが可能ですが、どちらかと言うと「遭う」の方がネガティブな場面で使うことが多いのが特徴です。
「遇う」の方は「千載一遇」という言葉があるように幸運や運命的な巡り合わせという出来事に対して使うのも特徴的です。
「遭う」の例文
・『喧嘩で別れた恋人と街中で遭うことになり、今から緊張しています』
・『交通事故に遭うとは思ってもいなかったので、収入が一気に減って厳しくなりました』
「遇う」の例文
・『後輩と偶然街中で遇うことがあり、喫茶店に行って楽しい時間を過ごした』
・『憧れだったバンドのボーカルに街中で遇うという事件が発生して、頭が真っ白になりました』
まとめ
人間の出会いは色々なものがあり、特に偶然性が高いものには「遭う」や「遇う」を使います。
ややネガティブな場面や出会い関しては「遭う」を使いますし、良い場面や出会いに関しては「遇う」を使います。
「遇う」に関しては運命的な出会いや巡り合わせの場面や出会いの時にも使うことが可能です。