「既存」と「既設」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「既存」と「既設」の違い生活・教育

この記事では、「既存」「既設」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「既存」と「既設」の違い

「既存(きそん)」「既設(きせつ)」はどちらも「現在の時点ですでにある」という意味では共通しています。

しかし、「既存」というのは「すでに何かが存在していること・以前から物理的なモノや抽象的な理論・アイデアなどがあること」を意味していて、「既設」のほうは「すでに組織や部署などを設置していること・すでに建物などを建設していること」を意味している点に違いがあるのです。


「既存」と「既設」の使い方の違い

「既存」という言葉は「既存の学説を参考にしました」の文章のように、「以前から何かが存在している・すでにモノや理論(概念)などが存在している」の意味合いで使われます。

一方、「既設」の表現は「既設の部署に仕事を回しました」の例文のように、「すでに部署などが設置されていること・以前から施設などが建設されていること」の意味合いで使う使い方になる違いがあります。


「既存」と「既設」の英語表記の違い

「既存」という言葉を、英語で表記すると以下になります。

“existing”(存在している・既存の)

“~already exist”(~はすでに存在している・~は既存である)

「既設」という表現を、英語を用いて表現すると以下になります。

“existing”(すでに設置されて存在している・既存の)

“existing equiptment”(既設の設備・既設の装備品)

“~have already built”(すでに建設された・既設の)

「既存」の意味

「既存(きそん)」とは、「すでにあるものが存在していること」「以前から物理的なモノや形のない概念・アイデアなどがあること」を意味している言葉です。

「既存」の読み方は、現在では慣習的に「きぞん」と読むことも多くなっていますが、元々の正しい読み方は「きそん」です。

「既存」の使い方

「既存」「既存の建物を有効活用するようにしています・既存の理論では説明できません」の文章のように、「すでに物理的なモノや非物理的な概念・理論などが存在していること」の意味で使われます。

また「既存」の言葉には、「既存の~・~は既存です」の用法で使う使い方があります。

「既存」を使った例文

・『既存の設備を利用すれば予算を少なくできます。』
・『既存の理論だけでもその不思議な現象は説明可能です。』
・『市場の変化で既存の商品だけでは顧客のニーズを満たせなくなっています。』
・『既存のサービスに付加価値をつけたことで売上が急速に伸びました。』
・『既存のアイデアを組み合わせるだけでも、今までにない新しい発想が生まれやすいのです。』

「既存」の類語

「既存」の類語は、以下になります。

「存在(そんざい)」……何らかの物理的なモノ・人や抽象的な概念・考え方などがあること。

何かがあること。

「現存(げんそん)」……現在の時点であるものが存在していること。

あるものが現実に存在していること。

「所在(しょざい)」……人がいる場所。

モノが存在している場所。

「既存」の対義語

「既存」の対義語は、以下になります。

「新規(しんき)」……新たにある物事をすることや何かを新しく始めること。

新しいお客や規則。

「新設(しんせつ)」……以前から設置(建設)していたのではなく、新たに設置(建設)すること。

「既設」の意味

「既設(きせつ)」とは、「すでに施設・設備・建築物などを建設(建築)していること」「すでに(以前から)部署・組織・機関などを設置していること」を意味している言葉です。

「既設」の表現は、「これから新たに設置・建設するのではなくて、今の時点ですでに設置・建設が終わっているさま」といった意味のニュアンスを持っています。

「既設」の使い方

「既設」という言葉は「既設の部隊だけでもこの任務なら達成できます」の文章のように、「以前から組織を設置していたり、すでに施設を建設していたりすること」の意味合いで使う使い方になります。

「既設」という表現は、「既設の~・既設設備・既設施設・既設機関(既設組織)・~は既設です」などの用法で使うことができます。

「既設」を使った例文

・『まだ使おうと思えば使える既設の建物がたくさん残っています。』
・『既設設備で売却可能なものがあれば、積極的に売却していきます。』
・『既設の部署でも不採算部門に転落することがあれば、廃止する可能性があります。』
・『既設の建物の老朽化対策が大きな課題になってきました。』
・『既設機関だけで問題に対処できなければ、新たに専門機関の新設を検討するつもりです。』

「既設」の類語

「既設」の類語は、以下になります。

「既存(きそん・きぞん)」……(新しく設けられたのではなく)以前から存在していること。

前からすでに建物などがあること。

「現存(げんそん)」……ある物理的なモノ・建物などが、現実に(実際に)存在していること。

「既設」の対義語

「既設」の対義語は、以下になります。

「新設(しんせつ)」……今まであったものではなく、新しく組織・部署・施設(建物)などを設立(設置)すること。

「新規設立(しんきせつりつ)」「新規着工(しんきちゃっこう)……新しく組織や部署を設置(設立)すること。

新しく施設や建物の建設工事に取り掛かること。

まとめ

「既存」「既設」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「既存」「既設」の意味・使い方・例文・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。