この記事では、「協奏曲」と「狂想曲」の違いを分かりやすく説明していきます。
「協奏曲(きょうそうきょく)」とは?
「協奏曲」とは、「2つ以上の楽器を用いた合奏の曲」や「1つか複数の独奏楽器と管弦楽器の伴奏で演奏する多楽章の楽曲」のことを指し、イタリア語の「コンチェルト」とも言い、古くは「競奏曲」とも表記されていました。
「協奏曲」の歴史を辿ると16世紀半ばまで遡ります。
モテットのような声楽曲の演奏に、オルガンなどの楽器による演奏を伴う演奏スタイルを指した「コンチェルト」の名を冠する曲が当時のイタリアで生まれました。
17世紀末になると、複数の独奏楽器と弦楽合奏による「合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)」のスタイルがイタリアの作曲家たちによって築き上げられ、ドイツの有名な作曲家「ヨハン・セバスチャン・バッハ」による「ブランデンブルク協奏曲」などによって発展していったのです。
20世紀に入ると、楽器の器量や演奏技法の発展に伴い表現のバリエーションが増えたことにより、様々な楽器のための「協奏曲」が隆盛を極めました。
独奏楽器としてはほとんど用いられない楽器やオーケストラで使われることが少ない楽器、さらには「三味線」など世界各地の民族楽器を使った「協奏曲」も作られています。
「狂想曲(きょうそうきょく)」とは?
「狂想曲」とは、「クラシック音楽における楽曲のスタイルの1つであり、一定の形式によらない自由な楽曲」のことです。
「奇想曲」や「綺想曲」、イタリア語を用いて「カプリッチオ」とも呼ばれています。
また、元の意味から転じて「特定の出来事に対して、人々が乱痴気騒ぎをすること」を比喩して「狂想曲」という表現が用いられるケースもあります。
「協奏曲」と「狂想曲」の違い
「協奏曲」は2つ以上の楽器を用いた合奏曲などを意味し、「狂想曲」は一定の形式によらない自由なスタイルの楽曲を意味します。
まとめ
・「協奏曲」とは、「2つ以上の楽器を用いた合奏の曲」や「1つか複数の独奏楽器と管弦楽器の伴奏で演奏する多楽章の楽曲」のことです。
・「狂想曲」とは、「クラシック音楽における楽曲のスタイルの1つであり、一定の形式によらない自由な楽曲」のことです。