「始動」と「開始」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「始動」と「開始」の違い生活・教育

この記事では、「始動」「開始」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「始動」と「開始」の違い

「始動」とは、うごきはじめることです。

「開始」とは、物事が始まっていない状態から行う状態にすることです。

どちらの言葉にも、はじめ、はじめるという意味を持つ漢字である「始」が使用されており、2つの言葉には始めるという意味が含まれています。

しかし、何を始めるのかという点で意味が異なります。

「始動」は、計画を始めたり、機械を動かし始めることを意味しています。

たとえば、世界中の種を集めるという計画があったとします。

これを実際に行動に移した場合、計画が実際に始まったということができ、「始動」といいます。

「開始」は、物事を始めることです。

何も起こっていない状態から、行うという状態に変わることを意味しています。

「計画」「物事」は同じことを指しているように感じるかもしれませんが、これらは違うことを指しています。

計画は、物事を行動に移す前に決めた方法や順序などのことです。

物事は、物、現象、行事などのことです。

2つの言葉では、動き始めるものが、計画や機械なのか、物事なのかという点で意味が異なります。


「始動」と「開始」の使い方の違い

何かをする前に考えておいたやり方や順番などを始めること、機械を動かし始めることについて「始動」を使用します。

物事が行っていない状態から行っている状態になることについて「開始」を使用します。


「始動」と「開始」の英語表記の違い

「始動」は英語で“start”と表現をします。

「開始」は英語で“opening”“beginning”と表現をします。

「始動」の意味

「始動」とは、計画を実際に始めることや、機械を動かし始めることです。

計画とは、何かを行う前に決めておく方法や順序のことです。

たとえば、世界中の種を集めるという計画の場合だと、どのように種を集めるのか、どのように保管をしておくのかなどを、あらかじめ決めておくことが計画になります。

決めておいた行動していないときは「始動」ではありません。

何も行動をしていなければ、それは計画のままです。

実際に行動を始めたときが、それにあたります。

はじまりのことであり、途中の経過のことではありません。

最初の部分だけを指している言葉になります。

機械が動き始めること、動かし始めることの意味もあります。

機械とは、動力を受けて目的に応じた働きをするもののことです。

食品工場の場合だと、食材を焼く、揚げる、包装するなどをしている大きな器具が機械です。

機械を24時間動かすことはできなくもありませんが、24時間365日休まず動かしていると、機械が熱を持ってしまったり、部品が摩耗してしまったりして、いずれ故障をします。

また、24時間365日動かしている必要がないこともあります。

そこで、使わなくなったときやメンテナンスのためなどで、機械を停止します。

停止をしたものを使うためには、動かし始める必要があります。

この動かし始める時が「始動」です。

最初のところを指している言葉であり、動かしてから数時間後などのことではありません。

「始動」の使い方

何かを行うために前もって方法や順序などを考えておいたものを始めること、機械を動かし始めることについて使用をします。

「さあ、これから料理を作るぞ」というとき、料理を作るという動作を始めていますが、こういったことには使用しない言葉です。

料理を作り始めるのは、計画や機械ではないからです。

しかし、相対的貧困の家庭の子どもに料理を振る舞うといった計画があり、それを始めることなら、料理についてですが、計画を始めていることなので「始動」ということができます。

「始動」を使った例文

・『機械を始動させてください』
・『再度始動することが決まりました』
・『今年の秋には始動する予定です』
・『始動に向けての準備をしているところです』

「始動」の類語

「起動」が類語です。

機械類の運転を始めることという意味があります。

「始動」の対義語

「停止」が対義語です。

動いていたものをとめるという意味があります。

「開始」の意味

「開始」とは、物事を始めることです。

物事とは、物や事のことです。

事は現象、行為、出来事などのことを意味します。

「開始」は、物や事を行っていない状態から行っている状態になることを意味する言葉です。

雑誌には連載というものがあります。

これは、特定のテーマに沿って、何号にもわたって書かれるものです。

連載は、あるときをもって始まり、あるときをもって終わります。

この始まるときが「開始」です。

1回から20回までの連載があったとすると、1回目がそれにあたります。

あるカフェは、これまで店舗でだけ商品を販売していましたが、人気商品をもっと手軽に購入したいという声があり、通信販売を行うことになりました。

通信販売を始めたときが「開始」です。

始まってから数日後、数か月後、数年後のことではありません。

はじまりの部分を意味する言葉です。

通信販売を始めるためには、通信販売用のサイトを作る、輸送手段を確保するなどが必要です。

まだ実際に通信販売が行われていないため、これらを考えている時点は「開始」ではありません。

実際に行っている状態になった時点を意味しています。

「開始」の使い方

何かの行動をしていないときから、何かの行動をしている状態になることについて使用をします。

物事について使用する言葉で、機械を動かすことについては使用しないことが一般的です。

「開始」を使った例文

・『開始前によく準備をしておく』
・『試合が開始される合図が鳴った』
・『猫の里親募集が開始されました』
・『調理開始の前に手をよく洗ってください』

「開始」の類語

「開幕」が類語です。

舞台の幕が開いて芝居などが始まること、ある物事が始まることという意味があります。

「開始」の対義語

「終了」が対義語です。

物事が終わることという意味があります。

まとめ

始まるを意味する2つの言葉ですが、何が始まるのかという点で意味が異なります。