「堪能する」と「楽しむ」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「堪能する」と「楽しむ」の違い生活・教育

この記事では、「堪能する」「楽しむ」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「堪能する」と「楽しむ」の違い

「堪能する」「楽しむ」、この二つの語はどちらも「満足し、いい気分になる」という意味を持っています。

しかし、その意味のニュアンスや使われ方には少しの違いがあります。

「堪能する」「満足する」という意味です。

「満ち足りて満足すること」「堪能する」です。

これに対し、「楽しむ」「愉快な気持ちになること」という意味です。

「何かに満足して、いい気分になる」ということが「楽しむ」です。


「堪能する」と「楽しむ」の使い方の違い

「堪能する」「十分に満ち足りる」という意味なので、「満足する」ということを伝えたいときに用いられます。

「楽しむ」も、「満ち足りる」というニュアンスを含みますが、「満ち足りていて気分がよい」という意味の語で、「気分がよい」というところに焦点が当てられている言葉です。

なので、「満足」を伝えたいときには「堪能する」という語を使い、「気分のよさ」を伝えたいときには「楽しむ」という語を用いるとよいでしょう。


「堪能する」と「楽しむ」の英語表記の違い

「堪能する」は英語で“get one’s fill of”と表記されます。

「楽しむ」の英語表記は“enjoy”です。

「堪能する」の意味

「堪能する」の意味を詳しく見ていきましょう。

「堪能」「たんのう」と読みます。

「満ち足りて満足すること」という意味です。

また、「納得する」「気が済む」という意味もあります。

実は、「堪能」という字は当て字です。

元々は「たんぬ」という言葉の音が変化したものでした。

「たんぬ」「足んぬ」と書き、「足りる」「満足する」という意味の言葉でした。

「芸や学問などが達者である」という意味で、「堪能」という語が使われる場合もあります。

「堪能する」の使い方

「堪能する」は、「十分に満足した」ときに使われます。

「十分に満足した」ということで、「素晴らしかった」というニュアンスも度々含まれていることがあります。

「食事を堪能した」という文があるときこれは、「食事は十分に満足できるものだった」という意味になります。

なので、「よい食事だった」という意味になるのです。

「達者である」という意味で「堪能」を使うときは、「彼は絵に堪能だ」などのように用います。

「堪能する」を使った例文

・『彼は僕の目の前でピアノを弾いてくれました。彼の奏でる音楽を僕は堪能しました』
・『先生の御本を拝読いたしました。相変わらず素晴らしい内容で、堪能させていただきました』
・『彼女は語学に堪能だったので、海外転勤の話を持ち掛けられたとき、自分の技術が活かせると思い、とてもわくわくしました』
・『彼の作る夕飯を私は堪能した。初めて口にする異国の味は、少し辛くはあったが、とてもおいしかった』
・『この旅行はいろいろあったが、宿の心遣いに堪能して、最後にはとてもよい思い出ができた』

「堪能する」の類語

「堪能する」の類語は「満喫する」(まんきつする)が挙げられます。

「満喫する」とは「十分に楽しむこと」という意味で、「十分に楽しみ、満足感を得る」というニュアンスを含んでいます。

また、「謳歌する」(おうかする)も類語であると考えられます。

「謳歌する」とは、「隠さずに大いに楽しむこと」という意味です。

「堪能する」の対義語

「堪能する」の対義語は「切望する」(せつぼうする)が考えられます。

「切望」とは「待ち望むこと」「心の底から強く望むこと」という意味です。

満ち足りるために何かを望んでいる状態です。

「楽しむ」の意味

続いて、「楽しむ」の意味を見ていきましょう。

「楽しむ」とは、「満ち足りていることを実感しながら愉快な気持ちになること」です。

「愉快」というと「面白い」という意味の語である印象が強いかもしれませんが、実は「面白い」も含めて、「気分が良い」という意味を持っています。

なので、「何かに熱中していて気分がいい」というときにも「楽しむ」という語を用いることができます。

「楽しむ」の使い方

「音楽を楽しむ」と使ったときは、「音楽に満足し、気分がよくなる」という意味になります。

「遠足を楽しむ」と使ったときも、「遠足に満足して喜んでいる」という意味です。

「気分がよく、弾むような気持ち」になったとき、「楽しむ」という言葉が使われます。

「楽しむ」を使った例文

・『この国に来たばかりの頃、言葉もわからないのに図書館に行きました。読めない文字に囲まれる経験は、まるで子どものころに戻ったかのようで、私は十分に楽しみました』
・『バイオリンの演奏を楽しむ』
・『楽しみながら練習すると上達が早いです』
・『友人との時間を楽しもうとして、彼女はたくさん準備をした』
・『久しぶりに会った先生が楽しんでいる様子だったので、僕はとても嬉しかった』
・『数年ぶりに乗った飛行機を楽しむ』

「楽しむ」の類語

「楽しむ」の類語は「喜ぶ」(よろこぶ)です。

「喜ぶ」とは、「何かに対し、嬉しく弾んだ気持ちになる」ということです。

「楽しむ」の対義語

「楽しむ」の対義語は「苦しむ」(くるしむ)です。

「苦しむ」とは、「つらく思ったり、思い悩んだりすること」です。

まとめ

「堪能する」「楽しむ」の違いをまとめました。

「堪能する」「楽しむ」「満足し、いい気分になる」という意味の語です。

「堪能する」「満足する」という意味が強調されます。

「楽しむ」「愉快な気持ちになる」「いい気分になる」という意味の方が強く出ていると考えられます。